研究課題
基盤研究(B)
ラジオアイソトープ(RI)による標識が可能な低分子を作製するため、モノクローナルマウス抗テネイシンC(TNC)抗体ハイブリドーマや抗TNC Fab抗体、精製TNCを作製した。抗TNC抗体(4F10TTと4C8MS)に由来する低分子化抗体としてscFvのC末端配列を改変してVH-linker-VL-Flag-Cys(Cysはメルカプト基を有する)とし、ハイブリドーマからRNAを抽出し、RT-PCR法によりH鎖およびL鎖のドメイン(VHとVL)の遺伝子をクローニングし、これらをoverlap extension PCRに付すことによりリンカー配列を介して連結し、scFv遺伝子を構築した。これを発現ベクターにサブクローニングしたのち大腸菌に導入して、可溶型scFvタンパク質を調製した。Biacoreによる解離定数(KD)測定から、scFv抗体の親和性は低下していないことが確認された。キレート(EMCS-Bz-EDTA)を作製し、scFvに付加し、インジウム-111を用い標識する手法を確立した。心筋梗塞モデルラット(MI)に、RI標識抗体を尾静注し、臓器分布を調べた。オートラジオグラムにて、心筋梗塞による心筋壊死部に一致してscFvの集積が認められることを立証した。別のMIにTNCの発現を免疫組織染色し、比較した。臨床応用に向け、RI標識Fab抗体を心筋梗塞モデルラットに尾静注し、SPECTを撮像した。2種類の抗TNC抗体の集積は、対照や非特異抗体に比べ、有意に高かった。抗TNC抗体の集積量が高いラットは、心臓超音波検査による心筋梗塞後の心拡大が大きかった。また、星細胞腫ヌードマウスを作製し、RI標識抗体が癌の生体イメージソングにも有効であることを示し、臨床応用の適応拡大の可能性を示唆した。RI標識抗テネイシンC抗体投与後の長期経過を観察し、安全性を確認した。特許出願予定である。
すべて 2008 2007
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