研究分担者 |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (10241994)
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20215966)
大庭 誠 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20396716)
木村 秀生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60327070)
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研究概要 |
In vivoにおける動脈瘤壁への機能化高分子ナノ,ミセルによるジーンデリバリー効率を,レポーター遺伝子を組み込んだ発現プラスミドベクターを用いて評価する目的で,マウス大動脈瘤モデルの作成を試みた。当初はラットのモデルも作成する予定であったが,ラット大動脈瘤の場合ジーンデリバリーに要するミセルが多量に必要となり,本研究グループによるミセル作成能力を上回ることが判明したため,マウスモデルに絞って研究する方針とした。マウスモデルはアンジオテンシンIIの持続注射により作成可能であることが知られているため,すでにある文献に準拠しながら実験を実施したところ,大多数のマウスにおいて大動脈破裂を発症し,動脈瘤が誘導された固体でも組織学的検討ではすべて解離性動脈瘤であることが明らかになった。注射するアンジオテンシンIIの量や持続注射期間の変更を様々にこころみたが,ついに当初目的とした動脈瘤を作成することはできなかった。 このため,次善の策として動脈瘤発生において重要な役割をはたすと考えられている動脈硬化モデルにおいて,これまでに作成したさまざまな機能化高分子ナノ,ミセルによるジーンデリバリー効率の評価を実施することとした。動脈硬化モデルはラットの頚動脈を用いて作成した。ラット頚動脈の動脈硬化モデルでは,狭窄をきたした頚動脈内にミセルを投与すればよいため,動脈瘤モデルと比較して極めて少量のミセルで実験可能である。具体的には,バルーンカテーテルを用いて頚動脈内膜に傷害を加えて3週間経過させることにより動脈硬化類似病変を作成し,その頚動脈を再度遮断の上DNAを含有したミセルを内部に注入し20分間インキュベートした。ミセルとしては環状RGDを表面に付加したものを検討中である。
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