研究課題/領域番号 |
17390348
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80252245)
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研究分担者 |
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
小林 猛 中部大学, 応用生物学部, 教授 (10043324)
菊森 豊根 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (90402635)
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キーワード | 乳癌 / 温熱免疫療法 / ハーセプチン / マグネタイト / リポソーム |
研究概要 |
ハーセプチン結合マグネトリポソーム(HML)製剤の作成、調整:HML製剤の調整方法を確立し、安定的に供給できる体制を構築した。製剤の粒子径、安定性、細菌テスト、エンドトキシンテストなどを行い、製剤の安全性についての検討を行った。さらに製剤を凍結乾燥するための成分、手順を確立し、凍結乾燥製剤による供給を可能とした。 ヒト乳癌培養細胞のヌードマウスへの移植、腫瘍形成、HER2の発現の検討:HMLを投与したマウスに交番磁場照射を加える温熱免疫療法のモデルを作成しHER2が強発現していることを確認した。 移植ヒト乳癌へのHML投与による効果、体内分布、副作用の検討:移植した腫瘍にHMLを全身投与し、鉄の体内分布を検討した。移植した腫瘍にHMLを局所投与し、鉄の体内分布を検討した。腫瘍内への局注では、48時間後も投与量のほとんどが局所に残留し、他臓器への移行はきわめて少ないことが示された。 交番磁界による腫瘍加温、組織反応の検討:移植した腫瘍にHMLを局所投与し、交番磁場照射を加えることにより、すみやかに腫瘍の温度が上昇することを確認した。有効な温度上昇が得られるHMLの濃度、量、さらに交番磁場照射の強さなどを検討した。 移植ヒト乳癌へのHML投与による腫瘍縮小効果の検討:HML局注直後、24時間後の2回交番磁場照射を行ったマウスにおいて、その3分の2のマウスは交番磁場照射後1週間で腫瘍の体積が10分の1以下となり、その効果は4週間以上持続した。
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