研究課題
基盤研究(B)
恒久的使用を目的とした次世代型の体内埋め込み式空気駆動型補助人工心臓(VAD)の総合実用化研究を行った。空気駆動型VAD用の体内埋め込み式ダイアフラム型血液ポンプの開発を行った。血液ポンプ内の流速分布や血栓形成に影響を及ぼす人工弁(一葉式機械弁)の開口方向についてPIV可視化手法により検討した。流入出弁いずれも135度の開口方向において、比較的低流速になる流入出ポート間、およびD-Hジャンクション近傍の流入弁直下流で高速流となり、他の開口方向より流れの停滞を防止できることがわかった。また弁表面の壊食や溶血の原因に成り得るキャビテーション気泡の発生に、弁の開口角度が与える影響について二葉式機械弁を用いて検討した。開口角度が45度、60度、90度では弁の閉鎖時間は短くキャビテーション観測時間も長くなった。弁の開口角度が弁の閉鎖動作やキャビテーション発生に影響を与えることがわかった。VAD埋め込み患者にとって重大な問題となるドライブライン感染を防ぐための新規経皮膚貫通装置の開発を行った。セグメント化ポリウレタンからなる三次元網状構造を有する多孔体である新規素材は組織のような柔軟さと十分な強度を持ち、ヤギを用いた30日間の埋め込み試験においても炎症性、壊死性の反応は見られず、成熟結合組織の浸潤が見られ高い組織親和性が確認できた。シリンダーピストンを用いた空圧発生機構による空気圧駆動型VAD用小型装着式駆動装置の開発を行った。基本ユニット部の重量はおよそ1.8kgであり、7L/min以上の拍出流量特性が得られた。2頭の仔牛を用いた慢性動物実験において、それぞれ30日間と39日間の駆動を装置故障なく実現することができ、実験期間中の拍出流量は4〜5L/min、平均消費電力は12〜16W程度であった。新しく開発した駆動装置は装着式駆動装置として十分な性能を有していることが確認できた。
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