研究課題/領域番号 |
17390362
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
三輪 史郎 信州大学, 医学部, 准教授 (20293516)
|
研究分担者 |
宮川 眞一 信州大学, 医学部, 教授 (80229806)
中田 岳成 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (70377638)
添田 純平 信州大学, 医学部, 助教 (40419370)
|
キーワード | 骨髄細胞・骨髄移植 / oval細胞 / 癌幹細胞 / 肝発癌 / 細胞融合 / 肝幹細胞 |
研究概要 |
1.病態肝における肝幹細胞の解析 これまでの研究成果より明らかとなった、ヒト成体肝幹細胞markerと考えられるCD133に関してさらに詳細な発現解析を行った。その結果CD133は病態肝における肝幹細胞markerのみならず、肝細胞癌や肝内胆管癌における癌幹細胞のmarkerとしても有用である可能性が示唆された。 2.肝幹細胞としての骨髄細胞の役割の解析 骨髄細胞が肝細胞と細胞融合することによって、肝再生と関わっていることが知られている。しかしながら、骨髄細胞と肝組織幹細胞の一つであるoval細胞との関係については一定の見解が得られていない。そこで、ラット、雄に致死量の放射線照射を施行し、GFP transgenicラット、雌の骨髄細胞を骨髄移植した。この、骨髄置換ラットにoval細胞誘導モデルである、CDE(choline-deficient ethionine-supplemented;CDE)飼料を投与し、骨髄細胞とoval細胞の関係について検討した。その結果、約3%と少数ではあるが、骨髄細胞由来のoval細胞が存在していることが証明された。また、これらの細胞は骨髄細胞とoval細胞の細胞融合により発生することを証明した。CDE飼料投与モデルは、肝発癌モデルでもあるため、肝発癌と骨髄細胞の関係も検討した。その結果、当モデルにおいては、骨髄細胞、および骨髄細胞と細胞融合したoval細胞と肝発癌に明らかな関係は認められなかった。今後、ヒト成体肝幹細胞において同じような役割があるのか検討する予定である。 上記の研究成果は、carcinogenesis誌,29(2);448-454,2008.に発表し、科研費補助を受けた旨報告した。
|