研究課題/領域番号 |
17390363
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30216072)
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研究分担者 |
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 講師 (50293866)
伊丹 淳 京都大学, 医学研究科, 助手 (40362511)
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キーワード | 癌幹細胞 / 正常食道上皮 / p75 / ABCG2 / Hedgehog / Gli-1 / NGF |
研究概要 |
1.免疫染色で食道癌の49.2%(92/187)にp75/NTRの発現を認め、高分化型扁平上皮癌では発現部位は癌先進部と癌増殖帯に一致していた。細胞株では全ての細胞でp75の発現を認めた(0.5%-91.8%、平均30.1%)。p75発現細胞株は有意に大きなコロニーを生じ、SiRNAによるp75抑制で有意にアポトーシスの誘導が得られた。これらのことから、p75陽性細胞は増殖活性が強く、癌の生存に強く関わっている癌幹細胞候補集団であることが判明した。 2.p75のリガンドの一つであるNGFは57.8%(63/109)に発現を認め、NGF高発現群は有意にリンパ節転移、遠隔転移が多く、低分化であり、予後不良であった。高転移株に対するNGF中和抗体、TrkA選択的阻害剤、またはSiRNAにより細胞の移動能が有意に抑制された。 3.ATP-binding cassette transporterの一員であるABCG2と癌幹細胞との関連が示唆されている。食道癌におけるABCG2発現は1%でも蛋白発現があると有意に予後不良であり、独立した予後因子であった。mRNA発現でも正常部より発現が少しでも高度であれば予後不良であった。このことからABCG2が食道癌の癌幹細胞候補であることが示唆された。 4.癌幹細胞シグナル候補であるHedgehogシグナル系が食道癌では普遍的に活性化しており、特にGli-1発現がリンパ節転移に関与し,食道癌の予後不良因子であった。このシグナル伝達系の阻害剤およびGli-1特異的SiRNAにより、食道癌の増殖および移動能が抑制され、食道癌におけるGli-1は食道癌の分子標的候補であることが示唆された。
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