研究課題
基盤研究(B)
1.免疫染色で食道癌の49.2%(92/187)にp75/NTRの発現を認め、高分化型扁平上皮癌では発現部位は癌先進部と癌増殖帯に一致していた。細胞株では全ての細胞でp75の発現を認めた(.5%-91.8%、平均30.1%)。p75発現細胞株は有意に大きなコロニーを生じ、siRNAによるp75抑制で有意にアポトーシスの誘導が得られた。これらのことから、p75陽性細胞は増殖活性が強く、癌の生存に強く関わっている癌幹細胞候補集団であることが判明した。2.p75のリガンドの一つであるNGFは57.8%(63/109)に発現を認め、NGF高発現群は有意にリンパ節転移、遠隔転移が多く、低分化であり、予後不良であった。高転移株に対するNGF中和抗体、TrkA選択的阻害剤、またはsiRNAにより細胞の移動能が有意に抑制された。3.癌幹細胞との関連が示唆されているABCG2は食道癌において1%でも蛋白発現があると有意に予後不良であり、独立した予後因子であった。mRNA発現でも正常部より発現が少しでも高度であれば予後不良であった。このことからABCG2が食道癌の癌幹細胞候補であることが示唆された。4.癌幹細胞シグナル候補であるHedgehogシグナル系が食道癌では普遍的に活性化しており、特にGli-1発現がリンパ節転移に関与し,食道癌の予後不良因子であった。このシグナル伝達系の阻害剤およびGli-1特異的siRNAにより、食道癌の増殖および移動能がが抑制された。5.nicotin(25本/dayの成人の血中濃度)暴露により、正常食道上皮においてDNMT1,3aを介した癌抑制遺伝子FHIT遺伝子のメチル化による蛋白発現抑制を認めた。このメチル化はnicotineの除去により消失し、癌抑制遺伝子FHITタンパクの発現が回復した。
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Oncology
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