研究概要 |
HSV-1(herpes simplex virus-1)のmutant株であるd120をベースに、survivin promoterによりHSV-1の初期転写因子であるICP4がドライブされる制限増殖型HSV-1ベクター(d120.surv)を作成した。さらにsurvivin promoterの上流に4f2 enhancerを組み込んだd120.survEを作成した。characterの明らかな代表的な膵癌細胞株を用いsurvivin promoter活性を検討したところ397bp survivin promoterの活性はsurvivin mRNA発現量と相関し,放射線照射に反応してsurvivin promoter活性が増大した。4f2 heavy chain enhancer蛋白の存在下でsurvivin promoterの活性がさらに増強された。放射線耐性株Panc-1/Rad15,AsPC-1/Rad10は元株に比してsurvivin蛋白が強発現していた。さらにsurvivin promoter活性が増大していた。single-step growth curveを検討したところ、膵癌細胞ではd120.surv,d120.survE,HrR.3は時間依存性にtiterが増加し、survivin 陰性のHUVECではtiter増加はなかった。膵癌細胞と対照としてHUVECをd120.surv,d120.survE,HrR3を様々のMOIで感染させ、3日目、6日目にWST-8で生細胞数を計測したところHUVECの生細胞数は不変または増加に対し、膵癌細胞はMOI依存性に3日目、6日目ともに生細胞が減少した。殺細胞効果は株細胞のsurvivin promoter活性の強さに比例した。
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