研究概要 |
研究実施計画に沿い、本(最終)年度は、(1)胃がん・大腸がん・食道がんを対象とした効果予測システムモデルの臨床有用性評価とその改良、(2)臨床検体を用いた食道がん剤効果予測初期モデルの確立、(3)胃がん、大腸がん、食道がんの新規予測指標の同定と、新規効果予測モデルの設定、を試み、全研究を総括した。得られた成果は以下のとおりで、当初の目的はほぼ達成された。 (1)胃がんにおけるPaclitaxel週一回投与法phase I/II試験、Docetaxel/TS-lのphase I/II試験を終了、遺伝子発現解析による治療効果予測式(モデル)の設定に至り、有害事象に関わる遺伝子多型も見出した[43rd Annual Meeting of Am. Soc. Clin.Oncol.,2007にて発表、論文投稿準備中]。 (2)大腸がんにおけるCPT-11のphase II試験を終了し、遺伝子発現解析による治療効果予測式(モデル)の設定に至るとともに、有害事象(好中球・白血球減少)に関わる遺伝子多型をも見出した[論文投稿準備中]。 (3)食道がんにおけるCDDPの新規効果関連遺伝子としてIFITM1を見出し、遺伝子発現解析による治療効果予測モデルの設定に至った[Int J Oncol.,2008.]。 (4)テンポラリ-に使用可能な効果予測システム(Real-Time RT-PCRとコンピューター情報解析システムを連結させたシステム)を確立した。 また、ノウハウを発展させ、肺がん早期診断マーカー[Oncol. Rep.,2007.]や低酸素応答因子[Oncol. Rep.,2007.,Oncogene (E-pub Mar17/2008)]などをも同定した。創薬や予後予測マーカーとしての可能性を有するがん不死化関連遺伝子群については国内、外国特許を申請した。
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