研究課題
【背景・目的】成人間生体肝移植において、過小グラフトは移植後胆汁うっ滞や遷延性腹水をおこし、ときにグラフト機能不全、患者死亡につながる。本研究では過小グラフト肝移植後のグラフト機能不全の機序解明とともに、グラフト不全の回避法を開発する。【方法・結果】1.ラット大量肝切除モデル作成90%肝切除モデル作成:手技確立2.ラット過小グラフト肝移植モデル作成ラット30%部分肝移植モデル:現在作成中3.大量肝切後および過小グラフト移植後の経時的な遺伝子、蛋白の包括的解析ラット肝切除後、経時的に肝組織採取してDNAマイクロアレイで遺伝子発現の包括的解析を行う。現在解析中4.肝再生のmodulationによる効果検討(1)菌_蒿湯(ICKT):ICKTは、胆汁分泌促進、排泄促進作用による肝機能改善、肝炎モデルにおける肝細胞のアポトーシス阻害が知られている。術前ICKT投与による大量肝切除後の肝再生に対する影響を検討した結果、ICKT投与群で、肝逸脱酵素上昇の早期改善、早期の肝再生促進および有意な生存改善を認めた。また免染でPCNA、HO-1発現増強、αSMA発現抑制を認めた。(2)Cyclosporine A(CyA)と肝再生:CyA術前投与が肝再生に対する影響について70%肝切除モデルを用いて検討し、CyA群の有意な肝再生率増加を認めた(術後24時間)。過小グラフトのsurrogate modelであるラット90%肝切除モデルでもCyA血中濃度上昇は軽微であった。(3)高圧酸素(HBO)の肝保護効果:HBO preconditioning後の肝HSP発現誘導、大量肝切後の肝保護効果について検討した後、過小グラフト肝移植モデルでも検討する。現在、実験進行中。【今後の予定】1.抗ストレス蛋白誘導による効果検討(薬剤、HBOによる誘導)2.新たなグラフト機能不全に関わる分子標的の同定と治療法の開発
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