研究分担者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60117471)
高尾 尊身 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
北薗 正樹 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30398276)
喜島 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60381175)
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研究概要 |
リンパ節転移が最初に起こると考えられるセンチネルリンパ節の微小転移を含めた転移の局在について検討した.133例の胃癌のうち21例,55個のリンパ節に転移を認めた.転移形態を2mm以上のmetastasis,2mm〜0.02mmのmicrometastasis(MM),0.2mm以下のisolated tumor cells(ITC)に分類すると各々47.3%,23.6%,29.1%であった.リンパ節内の転移巣の局在は67.3%が辺縁洞に認められた.一方,辺縁洞以外に存在した癌細胞の89%は未分化型癌であり,腫瘍の個性によりリンパ節転移巣内の分布の差異がみられた.リンパ節転移および微小転移の特性に関してKi-67抗体を用いて細胞増殖活性を検討した.Ki-67発現は組織診断で発見されたmetastasisの96%,MMの92%,ITCの29%に認められた.0.2mm以上の転移巣では確実に増殖能力を有していると考えられた.現在さらに他の分子マーカーを用いて検討中である.これまでにMicroarray法によるリンパ節転移関連遺伝子のうち,overexpressed geneの43遺伝子とsuppressed gene 138遺伝子を同定した.overexpressed geneの一つで食道癌リンパ節と最も関連があると考えられたSecreted phosphoprotein-1(osteopontin)の発現を食道癌175例で調べたところリンパ節転移,リンパ管侵襲,予後と相関が認められた.またepithelial-mesenchymal transitionに関与するSnail, Slug, Twistの発現とリンパ節転移との関与が認められることを見出し報告してきている.現在,食道癌で術前化学放射線治療群の微小転移の消長について,手術単独群と対比検討中である.また,センチネルリンパ節の免疫反応について検討中である.
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