研究分担者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 理事 (60117471)
高尾 尊身 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (80171411)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00041351)
北薗 正樹 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30398276)
喜島 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60381175)
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研究概要 |
胃癌133例について,最初に転移が起こるリンパ節であるSentinel Node (SN)をRadio isotope法により検出し,SN mappingを施行した.原発巣の腫瘍増殖活性をKi67の発現で評価するとともに、SNの微小転移巣の増殖活性を抗サイトケラチン抗体(AE1/AE3)と、Ki67抗体(MIB1)による二重免疫染色により評価した。2mm以上のMacrometastasisが25個(48%)、MMが13個(25%)、ITCが14個(27%)であった。SN転移巣におけるKi67発現は、Macrometastasisで96%、MMで92%、ITCで29%であった。これらの転移巣はリンパ節内で生着・増殖する可能性が示唆された。また,浸潤,転移に関与するchemokineの一つであるCXCL12とそのreceptorであるCXCR4とリンパ節転移,リンパ節微小転移および血管新生について食道粘膜下層癌を用いて検討した.CXCL12はリンパ節転移と相関が認められた.リンパ節転移や微小転移例ではCXCL12の発現と血管新生が認められた.さらにCXCR4陽性例のうちCXCL12陽性例では微小転移を含めた転移が有意にCXCL12陰性例に比べて高く認められた.CXCR4やCXCL12を調べることは微小転移の予測に意義があると考えられた.術前放射線治療をした食道癌では手術単独例のすべてのリンパ節に関して微小転移の存在を免疫染色で検討した.術前放射線治療例は手術単独例と比べ,リンパ節の微小転移頻度が有意に低下していた.とくに術前放射線治療例ではsingle cellは認められず,治療効果が認められた.しかし,原発巣の非奏効例ではclusterを形成する微小転移が残存しており,今後の治療の検討課題と考えられた.
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