研究課題/領域番号 |
17390382
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
北川 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80240886)
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研究分担者 |
吉栖 正典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60294667)
北市 隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (20335813)
神原 保 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20380082)
吉田 誉 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50448338)
浦田 将久 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40448337)
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キーワード | 脱細胞化 / スキャホールド / 内皮化 / in vitro再細胞化 / 滅菌法 |
研究概要 |
1) ブタ脱細胞化弁の作製:開発した水酸化アンモニウム・トライトン法では、ブタ肺動脈弁尖はほぼ脱細胞化され、グリコサミノグリカン層は希薄化したが3層構造は維持されていた。 2) in vivo環境での再細胞化の検討:ブタ脱細胞化弁を同種ブタ頸静脈に移植し、その再細胞化と弁マトリックス構造について検討した。グラフト周囲の高度癒着と多くの炎症性細胞浸潤、弁尖の固定を認めた。弁尖の3層構造は比較的維持され、内腔面と弁尖マトリックス内への散在性のα-SMA陽性細胞浸潤を認め、レシピエント細胞による脱細胞化組織の内皮化、再細胞化が示唆されたが、期待した望ましい再細胞化ではなく、この系では炎症細胞とα-SMA陽性細胞浸潤のコントロールが重要と思われた。 3) in vitro環境での再細胞化の検討:そこで、本脱細胞化法で作製した脱細胞化組織をin vitro環境におき、内皮化、再細胞化させることができるかどうか検討した。まず、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を培養液中に浮遊させ、170rpmで水平にshakeすると、staticな環境やrotation環境より、HUVECs浮遊細胞を多く維持できた。このin vitro境下に脱細胞化組織を培養し、できるだけ早く望ましく内皮化し、in vivo移植に転換するタイミングと方法について研究中である。 4) 脱細胞化組織の滅菌処理について:手術材料、組織滅菌法としては、蛋白変性が少ないガス滅菌が使用可能と思われる。エタノール浸漬による凍結乾燥(ガス滅菌)、解凍・加水後の脱細胞化組織のグラフト性状について検討した。組織の3層構造が維持されたが、強度試験では塑性を認め、生体組織滅菌法としては以前から用いてきた凍結保存法の方が望ましいと考える。 将来的には、「同種および異種心臓弁・血管組織の脱細胞化した手術材料」の臨床応用を考慮したい。
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