研究課題
基盤研究(B)
1)ブタ脱細胞化弁の作製:脱細胞化組織の自己細胞化を目指した無細胞化マトリックスキャホールド(台座)作製のため、様々な脱細胞化方法を検討し、脱細胞化の程度、弁マトリックス構造(エラスチン・コラーゲン・グリコサミノグリカン)の検討より、水酸化アンモニウム・トライトン法による、肺動脈弁の脱細胞化法を開発した。水酸化アンモニウム・トライトン法で、弁尖はほぼ脱細胞化され、マトリックスの3層構造はほぼ維持されていることを示した。2)in vivo環境での再細胞化の検討:ブタ脱細胞化弁を同種ブタ頸静脈に移植し、その再細胞化と弁マトリックス構造について検討した。グラフト周囲の高度癒着と多くの炎症性細胞浸潤、弁尖の固定を認めた。弁尖の3層構造は比較的維持され、内腔面と弁尖マトリックス内への散在性のα-SMA陽性細胞浸潤を認め、レシピエント細胞による脱細胞化組織の内皮化、再細胞化が示唆されたが、期待した望ましい再細胞化ではなく、この系では炎症細胞とα-SMA陽性細胞浸潤のコントロールが重要と思われた。3)in vitro環境での再細胞化の検討:そこで、本脱細胞化法で作製した脱細胞化組織をin vitro環境におき、内皮化、再細胞化させることができるかどうか検討した。まず、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)を培養液中に浮遊させ、170rpmで水平にshakeすると、staticな環境やrotation環境より、HUVECs浮遊細胞を多く維持できた。このin vitro環境下に脱細胞化組織を培養し、できるだけ早く望ましく内皮化し、in vivo移植に転換するタイミングと方法について研究中である。将来的には、「同種および異種心臓弁・血管組織の脱細胞化した手術材料」の臨床応用を考慮している。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
日本心臓血管外科学会雑誌 36-Suppl
ページ: 236
Japanese Journal of Cardiovascular Surgery Vo. 36(Supplement)
World Society of Cardio-Thoracic Surgeons(WSCTS) Japan Chapter 19th Annual Meeting
ページ: 29
Word Society of Cardio-Thoracic Surgeons(WSCTS), Japan Chapter 19th Annual Meeting