研究課題
平成17年度は神経膠芽腫新集学的治療の基盤解析を行い、Aktを標的とする集学的治療の理論的背景の樹立とカルシウム透過性AMPA受容体を介するシグナル伝達機構の細胞間ネットワークの解明を目的とした。解析結果概要。1.AMPA受容体拮抗薬、チロシン・キナーゼ拮抗薬は神経膠芽腫の浸潤性増殖に重要な役割を果たすAktのSer473に対し脱燐酸化を促進する。2.Aktの組み換えアデノウイルスー構成活性遺伝子組み込みアデノウイルス(Akt-HA)導入細胞では腫瘍細胞の遊走を促進する。逆に優性阻害遺伝子組み込みアデノウイルス(Akt-AA)導入細胞では腫瘍細胞の遊走は阻害される。3.放射線(X-線、重粒子線)照射にてin vitroにおける遊走抑制効果を認めるものの、照射直後より3日目まではtime-lapse microscopyにて追跡すると逆に遊走性が亢進することが観察された。4.遊走性が亢進している放射線(X-線、重粒子線)照射細胞はAktのSer473が燐酸化している。したがってAktのリン酸化が細胞の増殖・遊走に促進的に働くばかりでなく、放射線治療抵抗性にも関与する可能性が示唆された。5.AMPA受容体拮抗薬を照射直前の1hr投与後に放射線(X-線、重粒子線)照射を行うと殺細胞効果と遊走性の抑制効果が亢進する。以上よりAktの脱リン酸化を目的とする集学的治療の理論的背景を確立した。
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