研究課題/領域番号 |
17390395
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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研究分担者 |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
鷲山 和雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (00183715)
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キーワード | 脳腫瘍モデル動物 / コンディショナルノックアウト / 癌抑制遺伝子 / グリオーマ / 髄芽細胞腫 |
研究概要 |
細胞選択的な標的遺伝子破壊法(コンディショナルノックアウト法)を用いて癌抑制遺伝子を選択的に破壊し、脳腫瘍モデルマウスを作成することを目指して、以下の実験を行った。 (1)グリオーマモデルマウスを作製するために、NF1遺伝子のフレームシフトエクソンをloxP配列で挟んだコンディショナルターゲッティングベクターを作製した。このベクターをES細胞に導入して相同組み換え体を選択し、マウス初期胚に注入してキメラマウスを作製した。キメラマウスとB6マウスとの交配により、NF1-floxのヘテロマウスを作製した。さらに、NF1遺伝子の近傍にあるP53遺伝子を破壊するために、Puromycin耐性遺伝子を選択マーカーとするP53ターゲッティングベクターを作製した。また、アストログリア細胞特異的に組み換え酵素Creを発現するマウスを作製するために、アストログリアマーカーGFAP遺伝子にCreをノックインしたベクターを作製し、細胞導入と選択の後で相同組み換えES細胞を初期胚に注入して、キメラマウスを作製した。 (2)髄芽細胞腫モデルマウスを作製するために、Ptc遺伝子のフレームシフトエクソンloxP配列で挟んだコンディショナルターゲッティングベクターを作製し、ES細胞への導入・相同組み換え体の選択・マウス初期胚への注入を行ってキメラマウスを作製した。キメラマウスとB6マウスとの交配により、Ptc-floxのヘテロマウスを得た。また、幼若神経細胞に特異的にCre蛋白を発現するマウスを作製するために、Tubb3-Creノックインベクターを作製し、選択した相同組み換えES細胞を初期胚に注入して、キメラマウスを作製した。さらに、B6マウス及びレポーターマウスとの交配により、神経細胞特異的なCre活性を持つマウスが作製できたことを確認した。 以上のように本年度に、脳腫瘍モデルマウスの作製に向けた研究を進捗させた。
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