研究課題
基盤研究(B)
悪性グリオーマは,現在においても最も治療困難な悪性腫瘍の代表である。悪性グリオーマの治療が困難な理由としては,腫瘍細胞の浸潤性格や薬剤に対する抵抗性、血液脳関門の存在などが挙げられるが、さらに生体において腫瘍性免疫が阻害されていること、すなわちグリオーマによるTGF-βなどの免疫抑制物質の産生が要因の1つとして挙げられる。従って、グリオーマの産生する免疫抑制物質の同定と抑制は悪性グリオーマの治療において新たなbreakthroughをもたらすものと考えられる。本研究において、まずTGF-βがkeymoleculeと考え、悪性グリオーマ組織における産生をtissue microarrayを用いてその予後と比較検討した。しかし、いずれのグリオーマ組織も高レベルに発現しており、発現と患者の予後との相関は認めなかった。そこで、未知の免疫抑制因子を同定するため、悪性グリオーマでありながら化学療法に反応し、かつ再発を長期に認めない悪性乏突起膠腫における特異的な高発現分子の探査を行った。その1つとして、膜蛋白質であるABCA2が乏突起膠腫において高レベルに発現しており、膠芽腫を含めた星細胞腫において、発現が有意に低いことをmRNAレベルおよび免疫組織化学的に証明した。さらに、これまでに乏突起膠腫の特異的分子マーカーが同定されていないことを考えると、ABCA2が乏突起膠腫の新たな腫瘍マーカーとして有用である可能性が示唆された。今後、この分子が腫瘍免疫を含め乏突起膠腫の生物学的特質においてどのように寄与しているかさらなる研究を行う予定である。
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