研究課題
基盤研究(B)
破骨細胞は造血系幹細胞に由来するが、その分化過程においてReceptor Activator of NF-κB Ligand(RANKL)が決定的な役割を果たしている。RANKLはTNFスーパーファミリーに属する膜結合型サイトカインであり、T細胞の活性化に伴い、あるいは炎症性サイトカインの刺激によって骨芽細胞や滑膜線維芽細胞に発現する。RANKLは膜結合タンパクとして同定されたが、近年膜結合型のみならず可溶型のRANKLも生体内に存在することが確認された。可溶型RANKLは、膜結合型RANKLの細胞外ドメインが膜近傍のstalk regionで切断(shedding)されることにより産生される。RANKL切断酵素としてこれまでにTACE、MMP14、ADAM19などが候補として挙げられてきたが、その詳細は明らかではなかった。本研究においてわれわれはRANKL切断酵素を同定するためのアッセイ系を確立し、cDNAライブラリーのスクリーニングによってRas-GAP(GTPase-activating protein)として同定されたCAPRI(Ca^<2+>-promoted Ras inactivator)のスプライスバリアントがRANKL shedding 活性を有することを明らかにした。またこのアッセイ系やMMP14ノックアウトマウスを用いてMMP14が可溶型RANKLの産生に重要な役割を果たすこと、RANKL切断が局所のRANKL濃度を低下させ、骨吸収に対してネガティブに働くことを明らかにした。
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Journal of Biological Chemistry 281
ページ: 36846-36855
J Biol Chem 281
Journal of Biological Chemistry 280
ページ: 41700-41706
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