研究課題
基盤研究(B)
本研究では、個体老化におけるこの2大シグナルであるklothoシグナルとインスリン/IGF-Iシグナルのクロストークを解明することから、老化および老化関連疾患の分子ネットワークに迫ることを目指した。Klotho過剰発現マウス(KL-Tg)を作成したところ寿命が延びることが明らかとなった。さらにそのメカニズムを探索したところ、klotho蛋白の一部が血液中に分泌されて全身を巡り、インスリンの作用を抑制するホルモンとして働くことを解明し、klotho蛋白がその抗インスリン作用を介して老化抑制ホルモンとして働くことを示した(Science309:1829,2005)。このKL-TgマウスにおいてX-pおよび組織学的に骨組織の検討を行ったが、骨密度や骨代謝回転は、同胞WTマウスと有意な差は認められなかった。これは、klothoタンパク自身の骨代謝に対する同化作用と、インスリン/IGF-Iの骨形成作用に対する抑制作用が相殺した結果であると考えられ、それぞれのシグナルが独立して骨代謝を調節している可能性が示唆された。In vivoおよびin vitroにおいてklothoシグナルとインスリンシグナルの相互作用を検討したが、klothoによる骨量維持作用はinsulinとは異なるシグナルを介することが示された。
すべて 2007 2006 2005
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