研究課題/領域番号 |
17390414
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
四宮 謙一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20111594)
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研究分担者 |
阿江 啓介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20376726)
竹田 秀 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員准教授 (30376727)
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員准教授 (20401391)
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員講師 (90451971)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 骨髄間葉系細胞 / 骨再生 / 分化能 / デキサメサゾン / 細胞導入法 / 血漿 |
研究概要 |
近年、骨髄間葉系細胞(MSC)を用いた組織再生の研究が盛んに行われており、特に骨組織の再生は一部では臨床応用が行われているが、明確にMSCの有効性を示すような結果は得られていない。その大きな理由は、培養、増殖するにつれてMSCの骨形成能が低下してしまうことである。そこで、我々は骨芽細胞への分化誘導に用いられるデキサメサゾンを分化の方向性を既定する因子ではなく、MSCの分化誘導への反応性を高める因子でありMSCの培養期間中に継続的に添加することで分化能の高いMSCが得られると仮説をたて検証した。その結果、継続的にデキサメサゾンを加えてMSCを培養することにより、骨芽細胞系のみならず軟骨系、脂肪系への分化能も高いMSCが得られることを確認した。また移植実験においては、実際の骨形成能も高いことを確認した。 MSCを用いた骨再生には再生の足場として多孔質のリン酸カルシウムが用いられることが多い、しかし気孔が小さいため細胞を内部まで導入するには困難を伴う。導入効率が低ければ、より多くのMSCを要し培養期間の延長を強いられ、結果としてMSCの性能が低下してしまう。我々は簡易なデバイスを用いた「低圧下浸透法」を開発し、1.5〜3倍の導入効率、そして2.5〜3倍の骨形成を実現することに成功した。 MSCを足場材に導入する際に、一般的に培養液にMSCを浮遊させ導入する。我々は培養液の代わりに血漿を用いたMSCの導入法を考案した。血漿はゲル化するためMSC導入直後から移植に使用できるというメリットがある。(培養液を用いた場合はMSCが接着するまで、数時間待機が必要)この方法を用いたインプラントを移植し形成された骨の定量評価では、培養液での導入法に比べ、約1/10の細胞数で同等の骨形成が得られることが確認された。また、骨形成促進作用には血漿に含まれる血漿タンパク質とフィブリンゲルの両方がかかわっていることが確認された。
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