研究課題/領域番号 |
17390420
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松尾 光一 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40229422)
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研究分担者 |
山口 徹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50338092)
高田 康成 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40407086)
戸山 芳昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40129549)
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キーワード | 骨免疫学 / 骨リモデリング / エフリン / c-Fos / 破骨細胞 / サイトカイン / OPG / 耳小骨 |
研究概要 |
1.骨吸収と骨形成の間のカップリング機構を解明するため、本研究では、破骨細胞に発現するエフリン(ephrinB2)と骨芽細胞に発現するエフ(EphB4)に着目した。これらの相互作用により、破骨細胞の分化が抑制されると同時に骨芽細胞の分化が促進されることを、EphB4を骨芽細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスの作製などによって示した。さらに骨芽細胞と破骨細胞それぞれにおける下流のシグナル伝達を解析し、エフリン・エフによる骨量調節の分子機構の一端を明らかにした(Zhao et al.,2006)。 2.骨量が増加し続ける骨硬化症モデルマウス(Fra1トランスジェニックマウス)について骨硬化症の発症機構を解析した。特に、Fra1トランスジェニックマウスの骨芽細胞の機能亢進が骨内膜側に生じ、骨外膜側に認められないことに着目し、Fra1トランスジェニックマウスの骨髄が特殊性であるとの仮説から、骨内膜の骨芽細胞の増殖・機能亢進の分子機構を解析した。さらに、網羅的遺伝子解析から得られたデータを生かしながら、骨髄や皮質骨内の血管系の走行を検索し、また骨髄腔に接する骨芽細胞の造血にかかわる機能を解析した。さらに、骨芽細胞機能亢進が、骨折の治癒過程のリモデリングのどのような影響をあたえるのかを脛骨に横骨折を作製して観察した。その結果、Fra1トランスジェニックマウスでは炎症性サイトカインの産生が低下しており、骨折後の骨芽細胞分化の開始が遅れていることが判明した(論文準備中)。
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