研究課題/領域番号 |
17390423
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
廣田 和美 弘前大学, 医学部, 教授 (20238413)
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研究分担者 |
工藤 美穂子 弘前大学, 医学部, 助手 (30003411)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (80250603)
工藤 剛 弘前大学, 医学部, 助手 (70003407)
吉田 仁 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00374843)
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キーワード | オレキシン / ノルエピネフリン / 大脳皮質 / ラット / マイクロダイアリーシス / 電撃痙攣療法 / α受容体作リガンド / ベンゾジアゼピン |
研究概要 |
1.オレキシン(OX)A性選択的ノルアドレナリン(NA)放出及び高K^+性非選択的NA放出に対するα_2受容体の役割 α_2受容体動薬クロニジンは、濃度依存的に大脳皮質スライスからの高K^+誘発性NA放出を抑制したが、OXA誘発性NA放出には全く影響しなかった。逆にOX1型受容体桔抗薬SB334867は濃度依存的にOXA誘発性NA放出を抑制したが、高K^+誘発性NA放出には全く影響しなかった。さらに、高K^+誘発性NA放出に対するクロニジンの抑制効果はα_2受容体遮断薬ヨヒンビンにより桔抗されたが、OXAには影響を受けなかった。よって、大脳皮質においてOX神経とα_2受容体は互いに干渉しないことが推察された。 2.OXA及び高K^+によるNA放出に対するベンゾジアゼピン系静脈麻酔薬(BDZ)の効果 大脳皮質スライスからのOXA誘発性NA放出に対し、BDZの内でミダゾラムのみが臨床濃度(IC_,50>:0.87μM)で有意に抑制した。しかし、この抑制はフルマゼニルで桔抗されなかったのでBDZ受容体を介しないと考えられた。ジアゼパム、フルニトラゼパムは抑制に高濃度を要した(IC_<50>:ジアゼパム=68.5μM、フルニトラゼパム=56.9μM)。また、高K誘発性NA放出に対してはBDZ間で力価に差はなかった。 3.OX受容体合有細胞を用いた各種麻酔薬とOX受容体との相互作用の検討 OX受容体を有するSK-N-MC細胞を用いて検討したが、細胞のOX_1受容体発現が安定せず信頼のおけるデータが得られなかった。 4.電撃痙攣誘発療法(ECT)の血中オレキシンA、ノルアドレナリン濃度および麻酔深度(BIS値)に与える影響 精神病患者の治療としてのECT療法において、全身麻酔下でのECTによるBIS値の変化は患者により異なった。今後解析をさらに進め変化する場合と変化しない場合の患者因子が何であるか検討する。
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