研究課題/領域番号 |
17390427
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
南 ゆかり 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (10243403)
|
研究分担者 |
岡崎 直人 鳥取大学, 医学部, 助教 (30032204)
松浦 達也 鳥取大学, 医学部, 准教授 (00199746)
持田 晋輔 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (70403433)
石部 裕一 鳥取大学, 名誉教授 (40122014)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
キーワード | 熱ショックタンパク / 急性臓器障害 / Geranylgeranylacetone / リポポリサッカライド / 敗血症 / ポラプレジンク / マクロファージ / サイトカイン |
研究概要 |
手術等の侵襲的処置を受ける患者にとって、術後の敗血症に起因する急性臓器障害は、予後に大きな影響を及すとされており、これらを予防することが出来れば、周術期管理学上非常に有用な手段となる。今回の研究目的は、熱ショックタンパク(HSP)誘導の急性臓器障害に対する予防効果に着目し、その作用機序と臨床応用の可能性について詳細に検討することである。 我々は、以前に抗胃潰瘍薬であるHSP誘導剤のgeranylgeranylacetone(GGA)前投与がHSP70誘導を介してラット敗血症における生存率を改善することを報告した。しかしながら、敗血症において活性化されるマクロファージに対するGGAの直接作用はいまだ明らかにされていない。そこで、まずGGAのリポポリサッカライド(LPS)によるマクロファージ活性化に対する影響を検討した。その結果、GGAはLPS刺激後の一酸化窒素およびTNF-α産生を有意に抑制することが明らかとなったが、その作用機序はHSP誘導を介さずに、LPSのマクロファージ細胞表面への結合を抑制することによるものであった。次に、GGAのアセトアミノフェン(APAP)誘導マウス重症肝障害に対する効果について検討した。GGAは前投与、あるいは後投与であってもAPAP投与後の肝HSP70量を増加させ、肝障害を改善した。この効果はHSP阻害剤によりキャンセルされたことから、GGAはHSP70の誘導を介して働くAPAP肝障害の新しい治療薬となりうると考えられた。最後に、GGA以外のHSP誘導剤が敗血症を抑制できるかを、消化管粘膜においてHSPを誘導することが知られている別の胃潰瘍治療薬であるポラプレジンク(PZ)を用いて検討した。PZの予防的投与がLPSによる急性肺傷害を抑制し、敗血症によるマウスの死亡を予防することが明らかになった。
|