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2006 年度 実績報告書

ヒトにやさしい抗癌治療:抗U7療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17390437
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

影山 進  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50378452)

研究分担者 吉貴 達寛  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80230704)
成田 充弘  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00263046)
上仁 数義  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90324590)
キーワードプロテオミクス / 癌関連蛋白質 / RNA干渉 / 癌治療
研究概要

正常組織と癌組織の比較研究のために、深く考察されることもなくプロテオミクスが行われているが、本来ヒト組織は構成蛋白質組成が異なる多彩な細胞集団であるため、正常と疾患状態の比較検討を成立させることは容易ではない。その点、尿路上皮粘膜は間質から剥離しやすく、しかも構成細胞は移行上皮という単一集団とされており、プロテオミクスの対象として最適の組織である。一連の解析によって「癌細胞で高発現する蛋白質」として同定された新規細胞増殖関連因子U7(Gene name : C70RF24)を強制的に過剰発現させたラット胎児線維芽細胞は、対照細胞に比べて分裂増殖が亢進する。逆に機能発現を阻害すると、「壊死」でも「アポトーシス」でもなく、既知の方法とは異なる機構で細胞死を導くため、従来の抗癌治療法に抵抗性の癌にも効果が期待できる。この蛋白質は膀胱癌から発見(免疫組織化学的検討ではヒト膀胱癌組織の約70%で高発現)したが、広く他の癌腫(肺癌、乳癌、胃癌、肝細胞癌、大腸癌、前立腺癌、絨毛癌、子宮癌)はもちろん、骨肉腫および滑膜肉腫などの肉腫でも高発現している。子宮癌細胞株HeLaをモデルにした実験では、RNA干渉によってU7蛋白質の発現量を一割まで抑制すると、癌細胞の生存率は五分の一に低下した。同様の結果は、肺癌、乳癌、大腸癌、膀胱癌、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌でも確認されている。一方で、正常細胞のU7蛋白質を抑制しても生存率に有意な変化は認められなかった。すなわち、従来の抗癌剤治療と異なって、U7阻害は正常細胞に対する毒性がほとんどないため、「ヒトにやさしい抗癌治療」と言える。現在、関連蛋白質を解明するために、酵母2ハイブリッド実験によって二個の結合蛋白質候補を同定し、検証を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A novel tumor-related protein, C7orf24, identified by proteome differential display of bladder urothelial carcinoma2007

    • 著者名/発表者名
      Susumu Kageyama
    • 雑誌名

      Proteomics Clin. Appl. 1

      ページ: 192-199

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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