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2005 年度 実績報告書

難治性耳管閉鎖障害の病態解明と新治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 17390456
研究機関東北大学

研究代表者

小林 俊光  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80133958)

研究分担者 川瀬 哲明  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50169728)
吉田 尚弘  東北大学, 病院・助手 (90291260)
大島 猛史  東北大学, 病院・助教授 (40241608)
和田 仁  東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30111264)
鈴木 陽一  東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20143034)
キーワード耳管開放症 / 自声強聴 / 画像診断 / 耳管 / 耳管閉鎖障害
研究概要

1)耳管閉鎖障害に対する新しい音響学的診断法として経鼻雑音負荷聴力検査(鼻ノイズ聴力検査)を開発し臨床応用した。本検査法は、鼻腔にマスカーとなる雑音を提示し、同雑音の外耳道提示音に対するマスキング効果を観察することで、咽頭側から中耳側への音響的易伝達性を評価するものである。耳管開放のない正常例での鼻腔提示音のマスキング効果の大きさは、ばらつきが少ないため、本法は耳管開放症の新しい臨床検査としてきわめて有効である。
2)耳管開放症の主要症状として、自声強聴と鼻声を取り上げて研究した。
2-1)自声強聴に関する研究:開放耳管を通して、鼻咽腔から中耳側への音響伝達特性についてヒト(生体)に近い中耳・耳管モデルを用いて検討した。耳管径の拡大とともに、1kHz以下の低周波数域を中心とした卵円窓振幅の増大を認めた。自声の低周波数音が中耳側へ影響を与えやすいこと、また同程度の耳管開放状態であれば、乳突腔を含めた中耳腔容積が小さいほど自声強聴症状が強く自覚される傾向にあることが示唆された。
2-2)鼻声に関する研究:開放耳管のために中耳含気腔が鼻腔に付加されることによる、共鳴腔の変化も耳管開放症患者にみられる鼻声の原因の一つではないかと考えて、耳管開放症患者の治療前後の音声を収録し、さらにモデルを用いて検討した。その結果、中耳腔付加による音声変化は小さいことが判明し、鼻声の主因は、中耳への音響伝達を防御するために、無意識に発声方法を変化させるためと考えられた。
3)高速MRIによる嚥下時耳管運動の記録
嚥下に伴う耳管運動を高速MRIで撮影することに初めて成功した。耳管機能障害の部位ならびに質的診断の向上が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Autophony in Patients with Patulous Eustachian Tube - Experimental Investigation Using an Artificial Middle Ear2006

    • 著者名/発表者名
      Kawase T, et al.
    • 雑誌名

      Otology & Neurotology (in press)(印刷中)

  • [雑誌論文] Audimetry with nasally presented masking noise : novel diagnositc method for patulouse Eustachian tube2006

    • 著者名/発表者名
      Hori Y., et al.
    • 雑誌名

      Otology & Neurotology (印刷中)

  • [雑誌論文] Trans-Tympanic silicone plug insertion for chronic patulous Eustachian tube2005

    • 著者名/発表者名
      Sato T, et al.
    • 雑誌名

      Acta Otolaryngol 125(11)

      ページ: 1158-1163

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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