研究課題/領域番号 |
17390457
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
喜多村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90010470)
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研究分担者 |
角田 篤信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00280983)
杉本 太郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (60262177)
角 卓郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (20361701)
吉川 欣亮 東京農業大学, 生物生産学部, 准教授 (20280787)
伊藤 卓 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (40401400)
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キーワード | 遺伝子 / ゲノム / 細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
研究代表者が所属する施設で経験した500家系の遺伝性難聴症例の中で、遺伝子CDH23の両端のイントロンが、最低でも150bpのシーケンスが判明可能となるように、プライマーを設計し、4症例を対象にしてSNPを検索した。2症例ではCDH23の67エキソン全てを解析した。現時点では、難聴発症の原因となる遺伝子変異ならびに有意な多型は同定されなかった。難聴遺伝子解析にて、若年者は中音領域の難聴、加齢により低音域の難聴が進行する常染色体優性遺伝家系で以下の新規のWFS1変異を同定した。WFS1エキソン8の836コドンの2507A>Cヘテロ変異で、リシンからトレオニン(K836T)のミスセンス変異が同定された。家系の難聴者は全てK836Tを有し、212例の健常者ではこの変異は同定されず、難聴の原因変異と推測された。対象者の蝸電図検査では、内リンパ水腫の成績が得られ、WFS1変異との関連が推測される。 高度難聴を示すマウスから、Vlgr1(very large G-protein coupled receptor)が、コルチ器感覚細胞の感覚毛の発生の際に、感覚毛の基部に発現し、変異があると感覚毛の正常な発生が障害される点を同定した。 ヒトの難聴を解析する際に、内耳組織内での遺伝子発現の解析は必須となる。解析可能性について検証するために、剖検時に採取したヒト側頭骨を対象に、3耳は凍結し、残り3耳はホルマリン固定し、膜迷路を摘出してRNAを抽出した。TaqManPCRにて内耳に高発現するCOCHのmRNAの定量解析を施行すると、凍結側頭骨からは良質なmRNAが抽出可能となり、組織・細胞内の定量的遺伝子発現解析が可能であると示した。
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