研究課題/領域番号 |
17390468
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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研究分担者 |
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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キーワード | 視細胞 / 杆体 / 錐体 / 培養系 / 癌化 / トランスジェニックマウス / 色覚オプシン / ロドプシン |
研究概要 |
視細胞の培養系確立を目指して、錐体・桿体細胞それぞれに特異的発現を示す遺伝子プロモーターの単離と視細胞癌化用プラスミドの構築を行った。当初計画していたロドプシンなどのプロモーターを用いると癌化でなく細胞や組織の変性が起きるという報告があるため、錐体に発現するGNAT2のプロモーターをSV40LargeT抗原遺伝子の上流に、下流には錐体、桿体細胞、松果体で発現するIRBP遺伝子のエンハンサーを連結したプラスミドを構築した。これをC57BL/6Crマウス200胚にマイクロインジェクションして受胚メスICR系マウスの子宮に移植し、34匹のトランスジェニックマウス(Tgマウス)を得た。SV40LargeT抗原遺伝子特異的プライマーを用いたPCR法によるスクリーニングの結果、34匹のうちSV40 Large T抗原遺伝子が導入されているTgマウスは5匹であることがわかった(雄4匹、雌1匹)。現在はTgマウスと正常C57BL/6Crマウスを交配させてSV40LargeT抗原遺伝子を保持する仔マウスの数を増やし、眼やその他臓器におけるSV40LargeT抗原の発現の確認や表現型の変化を観察している。一方、確立する予定の培養錐体・杆体細胞は様々な目的に利用価値が高いと思われるが、本研究の主目的の一つは色覚オプシンやロドプシンの排他的な発現の機構の解析に用いることである。そのために、それらのオプシンを識別可能な抗体を作成した。マウスは緑、青オプシンしか存在せず、ヒトの赤・緑オプシンは相同性が極めて高いため、マウスの緑とヒトの赤・緑の3種をすべて認識する抗体、マウスとヒトの青オプシンをともに認識する抗体の2種類の抗体を作成した。その他錐体や杆体で特異的に発現するタンパク質を認識する抗体も調達し、得られる目的癌細胞の同定を行う準備は整った。また平成19年度に使用を検討している、温度感受性SV40LargeT抗原遺伝子、桿体に特異的に発現する可能性のあるNR2E3遺伝子に関する情報収集も進行中である。
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