研究課題/領域番号 |
17390477
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40224919)
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研究分担者 |
中島 龍夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095633)
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20233760)
大原 博敏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90338096)
清水 雄介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10327570)
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キーワード | 胎仔 / 創傷治癒 / 再生 / siRNA / 変換点 |
研究概要 |
胎生期のある時期までは哺乳類の胎仔の皮膚に実験的に傷をつけても、傷は素早くそして瘢痕を残すことなく治癒し、皮膚は完全に元通りに再生する。われわれはこれまでの研究で、胎生13日までのマウス胎仔に傷をつけると皮膚は完全に再生するが、胎生14日以降の胎仔に傷をつけても、皮膚は再生せず傷跡を残すことを発見し、またマウス胎生13日と胎生14日の胎仔につけた創から採取した組織から、DNAマイクロアレイで異なった発現パターンを示す遺伝子を特定した。また、胎仔創傷治癒過程でのこれらの遺伝子が創周囲で過剰発現していることを明らかにした。これらの遺伝子はマウス胎生13日と胎生14日の創傷治癒過程で、同じ発生段階の健常皮膚と比べても発現パターンが急速に切り替わるので、皮膚の完全再生に関与する遺伝子の候補と考えられる(以下、候補遺伝子とする)。 本研究では、これら候補遺伝子をin vitro及びin vivoで胎仔皮膚創傷面からsiRNAを用いて発現を減少させることで、これら候補遺伝子の皮溝、皮丘、真皮の瘢痕の形成に与える影響につき検討した。 さらに、効果のあった遺伝子に対して、成獣創傷治癒過程で創周囲に過剰発現、または消失させることで、成獣の瘢痕形成にどのような効果を与えるか、皮溝、皮丘の形成に与える影響を含めて検討した。 その結果、胎生14日で発現している遺伝子をノックダウンすることで、創傷治癒の遅延が見られ、胎生13日の創傷部位で発現している遺伝子をノックダウンすることで、皮溝、皮丘の乱れが見られたが、現在のところ成獣の急性創傷には明らかな変化はみられないので、検討中である。
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