研究概要 |
皮膚が再生する時期と再生しなくなる時期のマウス胎仔皮膚から、マイクロアレイにより得ることができた、皮膚を再生させる候補遺伝子をin vitro及びin vivoで胎仔皮膚創傷面から消失させることで、これら候補遺伝子の皮溝、皮丘、真皮の癒痕の形成与える影響につき検討した。siRNAを用いた機能解析のスクリーニングのため、マウス胎仔皮膚を用いたin vitroのスクリーニングモデルを開発した。Genechipを用いた皮膚再生を引き起こす候補遺伝子の中で、in vitroおよびin vivoの胎子創傷治癒モデルで、皮膚再生に機能的に作用のあった遺伝子はtwist, fbn1であった。これらをsiRNAにより、成獣マウス創傷部位からノックダウンを行って、癒痕形成、皮溝、皮丘の形成に与える影響を観察した。遺伝子導入は、リポフェクション試薬を用いて行ったが、創傷部位で効果的にノックダウンを行うことが可能であった。その後、成獣の創傷部位でtwist, fbn1のノックダウンを行い、効率的に創傷部位でのノックダウンは行えたが、療痕形成、皮溝、皮丘の形成に作用を及ぼさなかった。 また、スキッドマウスの背部での胎仔皮膚再構築モデルを用いて、マウス胎仔真皮間葉系細胞のshh, twist, fbn1のノックダウンを行い、再構築された皮膚の組織学的構造の変化、皮溝、皮丘の形成に与える影響を検討した。その結果、shhのノックダウンで毛包の再構築が抑制され、twistのノックダウンできめの再構築が乱された。
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