研究課題/領域番号 |
17390480
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小池 薫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10267164)
|
研究分担者 |
篠澤 洋太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30129465)
田熊 清継 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30216824)
相星 淳一 日本医科大学, 医学部, 講師 (50256913)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助手 (30165162)
小林 哲幸 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (50178323)
|
キーワード | 多臓器不全 / 脂質メディエーター / 腸管 / 虚血 / 再灌流障害 / リンパ液 / メタボノミクス / 核磁気共鳴分光法 |
研究概要 |
「小腸虚血再潅流が脳代謝に及ぼす影響」について、予定した実験計画に従って以下の検討を行った。(1)メタボロミクスに最適なNMR測定試料の調整方法:過去の研究で用いた過塩素酸溶液による除蛋白処理・水溶性低分子化合物の抽出方法を見直した。組織内のすべての代謝物を分析対象とするため、脂溶性および水溶性低分子代謝物と蛋白等の高分子化合物の同時分離抽出が望ましいと考え、従来のメタノール・クロロフォルム・水混合液による抽出法を本研究用に最適化した。(2)NMR測定条件:300MHzのFT-NMR装置を用いて、メタボローム解析に最適な測定パラメータの設定と自動化プログラムの作成を行った。(3)NMRデータ処理ソフトの改良:平川が日本電子(株)と共同開発したソフトに、個々の試料のスペクトルデータを確認しながら基本的な多変量解析を行えるプログラムを新たに追加して改良を加え、その成果物を製品化した(第33回日本磁気共鳴医学会大会にて発表)。(4)改良版ソフトを用いたメタボロミクスの実践:過塩素酸処理による低分子代謝物抽出液の1H NMRデータを用いて各種の生体組織についてのメタボローム解析を行ったところ、実験条件や時間経過による組織内の代謝像の変化を特徴づけることができた(The 1st Asia-Pacific NMR Symposiumにて発表)。本研究で用いる小腸虚血再潅流モデルについてはまだ試行的な解析しか行っていないが、経日的な脳組織全体の代謝像の変化を捉えることが可能であった。(5)多変量解析法の選択とカスタマイズ:市販のソフトウェア製品を用いてメタボロミクス用の多変量解析手法の選択と最適化に関する検討を行った。
|