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2005 年度 実績報告書

肺の虚血・再環流障害の機序解明とその治療・予防策の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17390481
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

今井 孝祐  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60091964)

研究分担者 倉田 俊一  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (60140901)
江石 義信  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (70151959)
キーワード虚血・再還流障害 / 肺血管内皮細胞 / 血管内圧 / 炎症性サイトカイン / mRNA / RT-PCR / in situ hybridization / immunofluorecence
研究概要

肺の虚血再還流障害は低酸素症を伴わず起こり、炎症性サイトカインmRNAが虚血肺に発現し、虚血再還流障害の原因と推定されることを明らかにしてきた。このモデルにおいて、虚血の際に虚血血管床を虚脱(0mmHg,OPVP群)させておいた場合と、一定の圧をかけておいた場合(5mmHg,5PVP群)とで、サイトカインmRNAとその蛋白の発現、および、虚血・再還流障害の程度に相違があるか否かを決定することを目的とした。遊離還流換気ラット肺標本で左右肺動脈を周囲組織から遊離して、選択的に片肺動脈を遮断可能なモデルを作製した。このモデルで選択的片側肺虚血60分後に遮断を解除、30分の再還流を行なった。TNF-α,IL-1β,IL-6,IL-10 mRNAの発現をRT-PCR, in situ hybridizationで検索し、それぞれの蛋白の産生と産生細胞をサイトカインとCD34(血管内皮細胞)に対する抗体を用いたdouble staining(immunofluoreecence)で検索した。肺血管/肺胞上皮の透過性の評価はbronchoalveolar lavage(BAL)fluid中のアルブミン量と湿/乾重量比で求めた。OPVP群では、虚血肺で還流圧の上昇、BAL液中のアルブミンの増加、湿/乾重量比の増加、サイトカインmRNAとそれぞれの蛋白の発現を血管内皮細胞(CD34 positive cells)上に認めたが、5PVP群ではこれらがすべて抑制された。虚血中の5mmHgの肺静脈圧が虚血再還流障害を防止するのみでなく、サイトカインmRNA,サイトカイン蛋白の産生を阻害することが明らかとなった。肺血管内皮に一定の伸展圧を与えておくことが、虚血障害の予防に効果的であり、肺の虚血再還流障害、肺移植の際の臓器保存の研究に新たな局面を開くものである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Ventilated ischemic reperfused left lung (LL) increase inflammation in the contralateral right lung2005

    • 著者名/発表者名
      Gabriela S Georgieva
    • 雑誌名

      The 5^<th> Joint Scientific Congress of Korean-Japanese Intensivists, ABSTRACT

      ページ: 85

  • [雑誌論文] Tumor necrosis factor-alhpa converting enzyme inhibitor(TACEI)ameliorates control right lung (RL) injury by humor mediators liberate from unilateral ischemia/reperfused (I/R) left lung (LL)2005

    • 著者名/発表者名
      Gabriela S Georgieva
    • 雑誌名

      Crit Care Med 33

      ページ: A109

  • [雑誌論文] Ischemic reperfused left lung (LL) increases expression of inflammator cytokines mRNA in the control right lung (RL)2005

    • 著者名/発表者名
      Gabriela S Georgieva
    • 雑誌名

      日本救急医学会雑誌 16

      ページ: 430

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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