研究分担者 |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80129650)
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
関根 和彦 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (90296715)
葉 季久雄 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00327644)
宮木 大 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60365400)
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研究概要 |
1.マウスの熱傷負荷後敗血症モデルを用いた、一次・二次侵襲に伴う免疫変動の検討と、能動的補正による治療効果の検討:以前見いだした、少量IL-18の治療効果の機序解明を試みた。IL-18投与群では、組織学的に急性肺損傷(ALI)の改善を認め、肺TNFα,MIP-2,INFγ,IL-12,IL-4が低下、IL-10は増加した。また、同モデルで熱傷負荷後に肺CCL22/MDCが増加することを示し、さらにCCR4拮抗薬の連続投与により生存率が改善することを見いだした。薬剤治療群では、肺TNFα、IL-6、MDC、TARCがむしろ高く、サイトカイン産生抑制作用以外の機序による治療効果が示唆された。 2.血管内皮細胞、脾細胞を用いた侵襲に続発する免疫変動の検討:少量IL-18治療効果の機序を解明するため、脾細胞の反応性を検討した。IL-18投与群では、LPS刺激TNFα、MIP-2産生が抑制され、IL-10産生は増加した。さらに未処置マウスの脾細胞を種々の濃度のIL-18と共存下でLPS刺激したところ、30pg/mlに比し100pg/mlでMIP-2産生が抑制されたが、IL-10産生は誘導されなかった。一方、改良型連続細胞観察装置を用いて臍帯静脈血管内皮細胞を観察し、TNFα100U/mlと高濃度酸素の共存刺激下で、apoptosis細胞数が相乗的に増えることを観察した。 3.高度侵襲患者における検証:高体温によるDIC発症例、劇症型感染症に伴う高体温により臓器不全を発症した症例を検討し、高体温が生体反応に大きく影響することを検証した。Sepsis患者ではD dimerが高値、AT IIIとprotein Cが低値を示し、さらに7日後病態増悪群でprotein Cの低値を認めた。ARDS患者ではNE-AT, e-XDP, D-dimerが高値を示し、予後不良群ではNE-AT,e-XDPがさらに高かった。
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