研究概要 |
CMV-β-act-Cre Tgマウスの妊娠17日目の羊膜をトリプシンさらにコラーゲナーゼ酵素消化により分離し、SSEA1,Sca1およびLinを用いて羊膜幹細胞の分離を行い、Feeder細胞存在下で増幅を試みた。その幹細胞はPOU/Oct4,Sox2,Tert,Rex,Nanogなどの幹細胞のマーカーを強く発現していた。歯胚において、幹細胞を多く含む画分である歯髄SP細胞からさらに幹細胞を分離することを目的として、SP細胞とnon-SP細胞のmRNA発現の比較を行い、CD31,CD105,CD150およびVgfr2がSP細胞に強く発現していることが明らかとなった。また、歯髄SP細胞を幹細胞マーカーSca1,CD90(Thy1),CD117(C-kit)およびLinを用いてラベルしたところ、SP細胞はSca1+/-;CD90(Thy1)-;Lin-であることが判明した。よって、歯髄幹細胞をSP;CD150+;Sca1+;CD90(Thy1)-;Lin-として分離した。さらに、羊膜幹細胞と歯髄幹細胞の遺伝子発現の差をレーザーマイクロダイセクションならびに差次的マイクロアレイ法にて検索し、歯髄に発現があるが羊膜には全くみられない2つの遺伝子、TRHDE(Thyrotropin-releasing hormone degrading ectoenzyme)およびLRP1B(low density lipoprotein-related protein 1B)を見い出し、細胞融合後の歯髄幹細胞マーカーとしての有効性が示唆された。
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