研究課題/領域番号 |
17390510
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齋藤 正寛 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40215562)
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研究分担者 |
寺中 敏夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60104460)
野崎 直仁 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70222198)
畑 隆一郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (10014276)
清野 透 国立がんセンター, ウイルス部, 部長 (10186356)
関口 清俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (50187845)
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キーワード | 弾性線維 / 細胞外マトリックス / 歯根膜 / 歯胚 / 発生 / マルファン症候群 / 歯周病 / マイクロフィブリル |
研究概要 |
昨年度までの研究成果よりADAMTSL4βが、歯根膜のオキシタラン線維成分である事を明らかにした。そこで本年度はADAMTSL4βがオキシタラン線維の形成能力を有するかを解析することにした。オキシタラン線維はマイクロフィブリル成分で構成されていることがあるfibrillin-1で構成されていることが報告されている。そこでADAMTSL4βが歯根膜内でfibrillin-1と共局在しているかを、各々の特異抗体を用いた二重免疫染色で確認した。その結果、ADAMTSL4βはfibrillin-1抗体陽性のオキシタラン線維と共局在することが判明した。次にfibrillin-1のミスセンス変異で引き起こされるMarfan症候群のモデルマウスであるmgRマウスの歯根膜において、ADAMTSL4β陽性のオキシタラン線維に影響が出ているかを調べた。その結果、mgRマウスの歯根膜は野生型と比較して3倍以上に広がっており、異常な形態を示していた。次にmgRマウスの歯根膜を抗fibrillin-1抗体で免疫染色を行った結果、マイクロフィブリル線維の断片化に伴うオキシタラン線維の断裂化が観察された。そこで抗ADAMTSL4抗体を用いて免疫染色を行うと、ADAMTSL4β陽性のマイクロフィブリルの断裂化が観察された。これらの解析結果より、ADAMTSL4βはfibrillin-1と結合してオキシタラン線維を構成しており、この複合体はマルファン症候群では崩壊を受ける事が判明した。またマルファン症候群では重症の歯周病を引きこしている患者が多いことから、ADAMTSL4βとfibrillin-1により構成されているオキシタラン線維が歯根膜形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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