研究課題/領域番号 |
17390514
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野 高裕 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (30204241)
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研究分担者 |
堀 一浩 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (70379080)
岩田 久之 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20403032)
長谷川 陽子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60432457)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 摂食・嚥下障害 / 舌 / センシング / リハビリテーション / 高齢者 |
研究概要 |
本研究は、独自に開発した舌圧センサシートを用いた嚥下時舌圧測定により、嚥下機能の定量評価法を構築することを目的として、健常者ならびに嚥下障害を有する各種疾患患者を対象に測定を行い、嚥下時舌圧発現様相の特徴について分析を行った結果、以下のような知見を得た。 1.舌圧センサシートと従来の圧力センサの出力特性の違いが明らかとなり、舌圧センサシートを用いた場合も厳密に規格化した実験用口蓋床と同様に舌圧発現様相を評価し得ることが確認された。 2.健常者の舌圧データについて、若年者30名、高齢者30名(男女各15名)の測定結果より、舌正中部における舌圧最大値の低下、舌全体における舌圧持続時間の延長が統計学的有意差を持って見出された。 3.脳卒中急性期患者の嚥下時舌圧と臨床症状との関連を分析結果より、特に麻痺側の舌圧の低下が嚥下動作の困難に関連していることが示唆された。 4.パーキンソン病患者の嚥下時舌圧の特徴を分析したところ、周縁後方部の舌圧の低下と舌圧持続時間の短縮が特徴的な所見として得られた。 5.以上の結果を総合することによって、疾悪に応じた嚥下障害の診断基準を構築できる可能性が示唆された。 6.舌圧、筋電図、嚥下音の同時記録を行った結果、若年健常者における各指標の時間的順序性に一定のパターンが見られることが確認された。したがって、舌圧にとどまらず咽頭機能も含む包括的な嚥下機能定量解析法を構築できる可能性が示唆された。 7.嚥下障害を有しない高齢者を対象に、パンの咀嚼回数、嚥下回数、口腔・咽頭残留と舌圧、咬合力との相関について分析した結果、1回嚥下の場合舌圧が強いほど咽頭残留が増加する傾向が見られ、高齢者には複数回嚥下が重要であることが示唆された。
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