研究分担者 |
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90281162)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
早川 聡 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20263618)
尾坂 明義 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033409)
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研究概要 |
昨年度にヒト骨髄由来間葉系幹細胞の増殖を有意に亢進するチタン表面処理方法である化学熱処理(CHT)ならびにCHT処理後にアパタイトの薄膜を人工的に形成したCHTアパタイトコーティング処理が,骨形成能に与える影響をラットをモデルとして検討した.我々は,CHT処理を行った酸化膜層は,生体内では表層にアパタイト層を形成することを明らかとしているが,その表面処理を行ったチタンピン,CHT処理後に人工体液に浸漬してアパタイトを析出させたチタンピンならびに無処理のコントロール条件の3条件のものをラット脛骨に埋入した(それぞれn=10).4週間後にラットを還流固定,脛骨組織を摘出し,研磨切片を作製した,各切片にはフクシン-メチレンブルー重染色を行った.骨形成能の評価は,チタンピン周囲に形成された骨梁の接触率を求め,3条件間で平均骨接触率を比較した,その結果,コントロール条件では43.1+/-12.7%であった骨接触率は,CHT処理条件では70.0+/-14.9%,アパタイト析出条件では77.6+/-13.2%とそれぞれ有意に増加した(それぞれP<0.0001:ANOVA).すなわち本結果は,研究目的に設定していた従来の弱いチタン-アパタイト間の結合を改善した強固に吸着したアパタイト層が骨形成能を明らかに亢進することを示したものである.これらの結果に基づき,申請時の研究実施計画に設定しており,我々がすでに析出方法を確立している骨形成能を亢進したアパタイトをチタン表面に形成したチタンインプラントの骨形成能を評価するべく現在準備を進めている.すなわち,生体吸収性を有し,ハイドロキシアパタイトや骨類似の炭酸アパタイトを超える高い骨伝導能を有する傾斜機能性2価金属イオン含有アパタイトを析出させたチタンインプラントを同様にラットをモデルとした実験計画で評価すべく研究を進めている.
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