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2007 年度 実績報告書

抜去した歯を用いた歯槽骨形成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17390524
研究機関愛知学院大学

研究代表者

尾澤 昌悟  愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50323720)

研究分担者 宮前 真  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10340150)
蛭川 幸史  愛知学院大学, 歯学部, 非常勤助教 (60340147)
天野 優一郎  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20281470)
キーワード抜歯 / 歯槽骨 / 骨形成 / 骨形態計測 / マイクロCT / 三次元 / 骨移植材料
研究概要

最終年度にあたる今年度は,これまで行ってきた動物実験系を使って本方法の有効性を検証するとともに,骨移植材料として既に使用されている材料との比較を行った.ラット切歯抜歯後の抜歯窩に,その抜去された歯を粉砕して基材とともに注入して,2週と4週後の抜歯窩治癒と骨形成に与える影響を,三次元マイクロCTと組織切片により評価した.基材はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を使用した.
HPCのみを抜歯窩に入れた群では,2週目の骨形成はまばらで下縁部や根尖部では殆ど骨が形成されていなかった.4週になると抜歯窩は骨で置換され,分厚い骨梁を持った環状の骨構造が観察された.HPCに粉砕歯片を混ぜた群では,2週で既存骨に添った形で全体的に骨形成が行われていた.特に歯冠部付近には,多くの骨が環状に存在していた.4週になると,抜歯窩の歯冠部から中央部まで分厚い環状の骨が形成されているのが観察された.次に対照群と実験群の骨形成量の比較をしてみると,抜歯後2週においては抜歯窩に粉砕歯を混ぜた群が,対照群や基材であるHPCのみを注入した群よりも有意に高い骨形成量を示した.一方4週後の骨形成量では,対照群に対して基材のみの群と実験群が有意に高かった.骨塩量測定の結果では,2週後において,HPC群が他の2群より有意に低い骨塩量値であった.また4週後では,逆にHPC群が最も高いBMC値を示したが,やや値にバラツキが多く各群間に有意差は認められなかった.
骨移植材料として既に使用されているβ-リン酸三カルシウムを比較対照として用いた結果では,術後4週においてほぼ同等の骨形成量であった.このことから,本研究で開発された方法は,捨てられてしまう抜去歯を有効利用して,骨移植材料として使用する可能性が示された.また,基材として使用したヒドロキシプロピルセルロースは,抜歯窩の骨形成を2週においては抑制傾向であったが,4週後にはそれのみの注入で有意に骨形成量を増加させた.今後は,HPCの抜歯窩での作用の詳細を調べ,基材と移植材料の相互作用も含めた生物学的な効果を調べていく予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] High throughput gene expression analysis in bone healing around titanium implants by DNA microarray.2008

    • 著者名/発表者名
      Kojima N, et. al.
    • 雑誌名

      Clinical Oral Implant Research Vol.19

      ページ: 173-181

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Type II diabetes(non-insulin-dependent adult-onset diabetes mellitus)impairs implant osseointegration capacity.2008

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa H, el al.
    • 雑誌名

      International Journal of Oral and Maxillofacial Implants Vol.23(In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 抜去歯を用いた抜歯窩補填材の開発.2007

    • 著者名/発表者名
      宮田也寸紘, 他
    • 学会等名
      第116回日本補綴歯科学会学術大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2007-05-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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