研究分担者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
藤原 久子 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (80396746)
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396715)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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研究概要 |
1.動物骨欠損モデルにおける骨形成能の検討 昨年度までに骨芽細胞様細胞に分化した皮膚線維芽細胞シートの作製に成功し,マウス,ラットの臨界骨欠損モデルを確立した。本年度はマウスおよびラットの非荷重部(頭蓋,顎顔面領域)に作製した臨界骨欠損部に移植した。コントロールグループ(LacZ導入線維芽細胞を播種した足場材料を移植)で,放射線学的(X線写真,CT)に6ヶ月まで経時的に観察し,自然治癒の無いことを確認し,自然経過に関する基礎データを蓄積した。術後2ヶ月より,欠損辺縁部から少量の骨形成を認めたことから,術後2ヶ月以内であれば本モデルは臨界骨欠損モデルとして利用できることが示唆された。そこで,caALK6+Runx2をマウス背部より分離,培養した皮膚線維芽細胞に導入し,アテロコラーゲン膜上に播種して培養した。培難1週で石灰化を確認した後にマウス頭蓋部の直径4mmの円形骨欠損部に移植したところ,移植後4週で旺盛な骨形成が認められた。移植部周囲組織における炎症反応の有無を炎症性細胞浸潤を指標に検討したところ,顕著な炎症反応は認められなかった。 2.骨再生用ヒト皮膚細胞の培養法,骨芽細胞分化誘導法の確立 市販のヒト皮膚線維芽細胞においても,caALK6+Runx2の導入により,オステオカルシン,アルカリフォスファターゼ,骨シアロ蛋白といつた骨芽細胞分化マーカー遺伝子の著しい発現上昇と石灰化が10日以内に誘導されることをin vitroで確認した。
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