• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤増殖動態に関する物験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17390533
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 悦秀  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00092445)

研究分担者 川尻 秀一  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30291371)
能崎 晋一  金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (10283110)
キーワード口腔扁平上皮癌 / 浸潤様式 / リンパ節転移 / 細胞増殖能 / 運動促進因子 / 細胞接着因子 / 間質反応
研究概要

本研究課題ではin vitroおよびin vivoの両方の浸潤モデルを用いた浸潤増殖像の検討およびin vivoでは浸潤モデルにおける浸潤像とリンパ節転移との関係についてそれぞれ検討した。その結果、コラーゲンゲルを用いたin vitro浸潤モデルにおいて各癌細胞の浸潤能に応じた浸潤像を再現することに成功し、浸潤様式が高度になるにつれゲル中へのび漫性の浸潤を認めた。また、浸潤様式4D型の癌細胞ではコラーゲンゲル中に線維芽細胞を入れない状態でも、同様にび漫性の浸潤を認めた。これらの細胞の運動能を検討した結果、浸潤能の高い細胞で浸潤時に自己分泌型の運動促進因子(autocrine motility factor ; AMF)の高い発現を観察し、高浸潤細胞では線維芽細胞の産生するHGF等に頼らず自ら産生する運動因子で浸潤する能力があることが証明された。基質分解能では各種のマトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)を検討したところ浸潤能の高い細胞でMMP-2,MMP-9,MT1-MMPの過剰発現を認めた。接着能では細胞間接着分子であるカドヘリンおよびデスモグレインについて検索したところ、浸潤能の低い細胞の浸潤像では細胞間接着が強固に観察されたが、浸潤能の高い細胞の浸潤像では両者の接着分子はいずれも高度に消失していた。癌細胞周囲の間質反応を検索した結果では浸潤様式4D型において周囲に強い結合織造成が認められた。また、高度に浸潤する癌ではFGF-2およびFGF-R1の発現が間質において亢進していることが判明した。以上より口腔扁平上皮癌の浸潤像の形成には運動能、基質分解能、接着能が密接に関係していることが示唆された。また、最も高度な浸潤様式4D型では顕著な間質反応を伴いながら浸潤して行く様相が観察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Behavior of the most invasive oral cancer cells(Grade 4D) in vitro and in vivo.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto E, Kawashiri S., et al.
    • 雑誌名

      Oral Oncology Vol 11 11・1

      ページ: 66-69

  • [雑誌論文] ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体を標的としたSiRNAによる口腔扁平上皮癌の初期浸潤抑制2006

    • 著者名/発表者名
      能崎晋一, 山本悦秀, 他
    • 雑誌名

      日本口腔組織培養学会誌 15・1

      ページ: 47-48

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi