研究課題/領域番号 |
17390538
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅原 利夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10116048)
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研究分担者 |
福永 城司 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10284069)
三島 克章 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60304317)
水川 展吉 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00263608)
植野 高章 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60252996)
山近 英樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10294422)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 免疫抑制剤 / T, B細胞 / FACS |
研究概要 |
DHNA(1,4-dihydroxy-2naphthoicacid)は骨量改善作用を持つビタミンK2と同じナフトキノン骨格を有していることから、DHNAの骨代謝改善作用について検討した。 (実験方法) 1.モデルマウスの作製 ICR6週齢雄性マウスに対し、対照群に生理食塩水を腹腔内注射し、DMSO経口投与、実験群1に免疫抑制剤FK506を腹腔内注射、DMSO経口投与、実験群2にFK506を腹腔内注射、DHNA経口投与を各群ともに5週間連日投与した。 2.組織切片の作成 大腿骨、頸骨を採取し、H-E染色、TRAP染色を行い、各群での皮質骨、海綿骨の状態と破骨細胞について検討した。 3.骨密度の測定 実験動物用X線CTを用いて撮影を行い、皮質骨、海綿骨の骨密度の状態を測定した。 4.FACS 各群の腸間膜リンパからB細胞、T細胞を採取し、免疫細胞を標識して、全身的な免疫細胞の動態を検討した。 (結果・考察) 1.組織学的観察 H-E染色では、対照群に対して実験群1では骨梁の減少認め、実験群2では対照群と比べると骨梁は減少しているものの、実験群1よりも骨梁の減少を防止していることを認めた。TRAP染色では対照群に対して実験群1ではTRAP陽性な破骨細胞の増加を認め、実験群2では対熊群とほほ同じ数の破骨細胞が認められた。 2.骨密度の計測結果 CT写真より、実験群1ではX線不透過性部分が減少し、実験群2においては対照群に近いX線不透過像を示していた。すなわち、これらの結果からDHNAはFK506の骨吸収作用を防止する働きがあると考えられた。 3.FACSの結果 FK506により有意にT細胞は減少し、逆にB細胞は有意に増加していた。DHNA投与により減少したT細胞が若干増加し、逆にB細胞は減少する傾向であった。すなわち、免疫抑制剤により全身的にT, B細胞が増減し、DHNAにより、異常になった免疫細胞数を補正していることが分かった。
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