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2007 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の発症・進展・転移に関わる遺伝子の探索とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 17390545
研究機関東京医科大学

研究代表者

水口 純一郎  東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)

研究分担者 高田 栄子  東京医科大学, 医学部, 講師 (50110903)
矢那瀬 紀子  東京医科大学, 医学部, 助教 (10210303)
秦 喜久美  東京医科大学, 医学部, 助教 (30287156)
千葉 博茂  東京医科大学, 医学部, 教授 (80105478)
キーワード歯学 / 癌 / 遺伝子 / マイクロアレイ
研究概要

本プロジェクトでは口腔扁平上皮癌(QSCC)原発巣及び転移巣から悪性腫瘍組織を分離し、マイクロアレイ法を用いた網羅的な遺伝子発現解析を通して、OSCCの発症・進展・転移に関わっている遺伝子(群)を明らかにすることを目指している。悪性腫瘍の転移に関わっている遺伝子群を明らかにするために、原発と転移巣由来悪性腫瘍における遺伝子パターンを検討したところ、それぞれのグループに特有のパターンが観察された。クラスター解析を行うと、転移巣由来サンプルではシグナル伝達、受容体活性、転写因子活性、及びアポトーシス関連遺伝子群の発現増強が観察された。例えば、原発巣由来に比べて転移巣由来腫瘍組織における発現が4倍以上増弾したものには、USP2,TLR4,LPL,LAIR1,GD36,BCL2A1,AK5などが存在してした。一方、発現が低下したものには、DST,C19orf33,WNT10Aなどが観察された。さらに、転移性原癸腫瘍と限局性の悪性腫瘍の商には明らかな遣伝子発現パターンの違いが認められた。すなわち、これらの遺伝子発現パターンは腫瘍の予後を推測する有用なマーカーとなると期待できる。転移性口腔扁平上皮癌細胞にはBCL2A1遺伝子の発現が充進しているが、これらのファミリー分子の発現を制御する分子としてNF-κBが知られている。NF-κBはインターフェロンαによる細胞死誘導系ではアポトーシス抑制的に作用していた。一方、JNK活性化はTRAIL発現上昇を介してアポトーシス促進的に作用していることが我々を含む複数のグループによって明らかにされてきた。つまり、細胞死抑制的に作用することが知られているPKC-αに対するインヒビターあるいは細胞死促進的に作用するJNK活性化薬剤をインターフェロンαと併用すると効率的に細胞死が誘導できるが明らかとなった。これらの併用療法は副作用の少ない治療法として期待できるであろう.
以上より、OSCCの遺伝子発現プロファイルが腫瘍患者の予後の判定に役立つことが示された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Interferon-alpha induces transient upregulation of c-FLIP through NF-kappaB activation2008

    • 著者名/発表者名
      Kanetaka Y, Hayashida M, Hoshika A, Yanase N, Mizuguchi J
    • 雑誌名

      Esp Cell Res 314(2)

      ページ: 2664-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interferon-alpha-induced apoptosis via tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)-dependent and -independent manner2007

    • 著者名/発表者名
      Yanase N, Kanetaka Y, Mizuguchi J
    • 雑誌名

      Oncol Rep 18(4)

      ページ: 1031-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] c-Jun-NH(2)-terminal kinase potentiates apoptotic cell death in response to carboplatin in B lymphoma cells2007

    • 著者名/発表者名
      Takada E, Hata K, Mizuguchi J
    • 雑誌名

      Cancer Chemother Pharmacol (Epub ahead of print)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 舌ロ底癌切除後再建患者の術後機能に関する主観評価-アンケートによる多施設研究-2007

    • 著者名/発表者名
      松井 義郎, 他30名
    • 雑誌名

      口腔腫瘍(J Jpn Soc Oral Tumor) 19(1)

      ページ: 7-18

    • 査読あり
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の発症・進展に及ぼす遺伝子発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      秦 喜久美、松田 憲一、水口 純一郎
    • 学会等名
      第62回日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      福岡(福岡県)
    • 年月日
      20080417-18
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌患者由来の原発巣及び転移巣における遺伝子発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      松田 憲一, 千葉 博茂, 水口 純一郎, 他
    • 学会等名
      第26回日本口腔腫瘍学会総会
    • 発表場所
      別府(大分県)
    • 年月日
      20080124-25
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] TRAIL介在性及び非介在性のインターフェロンα誘導性アポトーセスの解析2007

    • 著者名/発表者名
      Yanase N, Kanetaka Y, Toyota H, Mizuguchi J
    • 学会等名
      第37回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      品川(東京都)
    • 年月日
      20071120-22
  • [学会発表] B細胞抗原受容体を介するアポトーシス誘導におけるBimとBaxの役割2007

    • 著者名/発表者名
      高田 栄子、秦喜 久美、水口 純一郎
    • 学会等名
      第16回日本アポトーシス研究会年会
    • 発表場所
      東邦大学理学部 (千葉県)
    • 年月日
      20070803-04

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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