研究課題/領域番号 |
17390547
|
研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (40203476)
|
研究分担者 |
古澤 清文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90165481)
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (60350831)
高橋 昌宏 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90340059)
堂東 亮輔 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (40329470)
内橋 隆行 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (70397628)
|
キーワード | 唾液腺癌 / α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ / 遺伝子 / クローニング |
研究概要 |
癌細胞より産生される唾液腺癌由来免疫抑制物質を明らかにするために、α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ(α-NaGalase)の酵素活性の高い唾液腺癌細胞を用いて、癌細胞に由来するα-NaGalase遺伝子のクローニングを行なうことを目的として行った。具体的には1、顎下腺癌細胞(HSG)由来α-NaGalase精製とポリクローナル抗体の作製、2、cDNAライブラリーからクローニング、3、Gc protein、GcMAF、GM-CSFなどの生体高分子への作用とその標的細胞への影響について検討した。その結果、ホモロジー解析から本蛋白は脱糖鎖機能のみならず核酸の巻きもどし機能を有することが推測された。クローニングされたベクターを線維芽細胞に遺伝子導入したところ、細胞増殖の亢進とO-グルカナーゼ活性が認められた。α-NaGalaseのendoならびにexo活性をPNAレクチン結合試験で検討したところ、O-グルカンのシアル酸を遊離する活性がみられた。そこで、O-グリカンを有する生体高分子への影響をGc ProteinとGcMAFを用いて検討した。単球/マクロファージの活性酸素産生能とラテックスビーズの貪食能は、本酵素によって低下した。すなわち、生理活性物質の脱糖鎖によって活性を低下することが示唆された。そこで、GcMAFによる単球・マクロファージの遺伝子の挙動に対する本酵素の作用をマイクロアレイで検討するため、RNAを抽出してcDNAライブラリーを作成した。その結果、α-NaGalaseは癌細胞の増殖に加え、免疫細胞の機能を抑制することが推測され、宿主免疫抑制機構の一つとして、癌細胞に由来するα-NaGalaseの作用が考えられた。
|