研究課題/領域番号 |
17390560
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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研究分担者 |
島袋 善夫 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50231361)
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
橋川 智子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (00362682)
服部 正平 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (70175537)
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キーワード | 歯根膜 / 完全長cDNAライブラリ / PLAP-1 |
研究概要 |
歯根膜組織からのRNA精製 事前に研究について十分な説明を行いインフォームドコンセントが得られた患者の便宜抜去歯の歯根膜組織からRNAを精製した。得られたRNAを電気泳動し、イメージ解析することにより、RNA分解が殆どないことを確認した。 G-cap法によるヒト歯根膜完全長cDNAライブラリの作製 全てのRNA5'末端に存在するCap構造を利用して、精製RNAの5'末端に逆転写用プライマーを添加し逆転写反応を行った。これらcDNA産物をクローニングベクターpGCAP10に挿入することにより、ヒト歯根膜完全長cDNAライブラリを作製した。ライブラリサイズは2.2X10^6で、平均インサートサイズは約1.5kbであった。 ヒト歯根膜完全長cDNAライブラリのシークエンス解析 作製したライブラリから無作為に96個のクローンを選び出しテストシークエンス解析を行った結果、インサート率95%、完全長率68%であることが明らかとなった。データベース解析の結果、96クローン中、9種の新規遺伝子が見出された。さらに、以前我々が発見した歯根膜特異的遺伝子PLAP-1やCollagen type Iをコードするクローンが認められ、in vivo歯根膜組織での遺伝子発現が正確に再現された良質なライブラリであることが示された。 歯根膜特異的遺伝子PLAP-1の発現制御機構の解析 上記ライブラリシークエンス解析において見出された遺伝子群の中から歯根膜特異的遺伝子PLAP-1を選び出し、歯根膜細胞におけるその発現制御機構を詳細に解析した。PLAP-1の発現は、細胞増殖を誘導するサイトカインであるFGF-2およびPDGF-BBにより抑制を受けること、一方、硬組織形成分化を誘導するBMP-2およびBMP-4により増強されることが明らかとなり、歯根膜細胞の増殖や分化に密接に関連してPLAP-1の発現が制御されていることが示された。
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