研究概要 |
1.ヒト歯根膜組織完全長cDNAデータベースの構築 前年度にG-Cap法にて作製したヒト歯根膜完全長cDNAライブラリを用いて大腸菌に形質転換を行い、それらクローンを無作為に約20,000個選択し、全自動大規模型DNAシークエンサーにて5'末端側からのone-way sequencing塩基配列解析を行った。さらに、得られた塩基配列情報を、スーパーコンピューターを利用して大規模BLAST遺伝子情報解析を行い、ヒト歯根膜組織中で、約20,000種の規模で、如何なる遺伝子が如何なる頻度で発現しているのかを示すヒト歯根膜組織遺伝子発現プロファイル(PDL gene expression profile)を完成させた。尚、得られた歯根膜組織完全長cDNAデータベースをFuL-PerioGenデータベースと命名した。 2.新規歯根膜特異的遺伝子の抽出検索 ヒト歯根膜組織完全長cDNAデータベースを基に遺伝子発現プロファイルをコンピューター上で解析したところ、Collagen Type I, Collagen Type III, Osteonectin, Periostin, PLAP-1などの歯根膜組織を特徴づける遺伝子群が恒常的に高発現していることが確認された。さらにこれまでに報告のされていない新規遺伝子に関しては発現頻度39以上の遺伝子87の内9個見いだされた。次年度は、各新規歯根膜特異的遺伝子の発現調節について、特異的プライマーを用いた培養歯根膜細胞でのRT-PCR法により解析すると共に、これまで歯根膜における機能については全く報告のない遺伝子について、その発現制御のメカニズムおよび歯根膜での機能を解析する予定である。
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