研究課題
基盤研究(B)
G-cap法にて作製したヒト歯根膜完全長cDNAライブラリを用いて、無作為に抽出した約20,000クローンの塩基配列解析を行った。そのデータを基にヒト歯根膜組織遺伝子完全長cDNAデータベース(FuL-PerioGen)を完成させた。このうち、発現頻度39以上の遺伝子87個の内9個の新規遺伝子を見いだした。同上cDNAデータベースにおいても見いだされた歯根膜特異的遺伝子Periodontal Ligament Associated Protein-1(PhAP-1)の機能解析を推進した結果、PLAP-1タンパクはBMP-2刺激により誘導されるOsterixやアルカリフォスファターゼ活性の発現を抑制すること、同タンパクはBMP-2と分子結合することにより、BMP2-BMPレセプター間の結合を阻害し、BMP-2依存的な歯根膜細胞の分化を負に制御することを明らかにした。また、両分子間の結合にはPLAP-1/asporin分子のleucine rich repeatmotifが重要な役割を果たしていることも明らかにした。次世代の歯周組織再生誘導薬として期待されている塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)に焦点を当て、FGF-2刺激により発現制御されている細胞外基質を解析した。その結果、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)、osteopontin(OP)等の遺伝子がFGF-2刺激により発現上昇することが確認された。次にこれら細胞外基質が歯周組織再生過程にどのように関与し得るのかを検討したところ、ヒアルロン酸、OPが歯周組織再生の初期過程において、歯根膜細胞の遊走を促進している可能性を示唆する結果が得られた。以上の結果により、FuLPerioGenデータベース中に、新規遺伝子を含むPLAP-1/asporin、OP等の歯周組織再生過程に密接に関連する遺伝子群を見いだすことに成功した。
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