研究課題/領域番号 |
17390562
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 (2006-2007) 岡山大学 (2005) |
研究代表者 |
西村 英紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
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研究分担者 |
前田 博史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00274001)
岩本 義博 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80362979)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 歯周炎症 / 軽微な慢性炎症 / 肝臓 / 脂肪組織 / サイトカイン / 高血糖 / JNK / HMG-CoA reductase |
研究概要 |
歯周組織炎症が末梢のインスリン抵抗性を高め、動脈硬化病変を進行させるまでに増幅される機序として肝臓における炎症反応の惹起が中心的役割を果たすとの仮説を設け、以下の点を明らかにした。 1. 歯周病細菌に対する抗体価高値糖尿病群(感染群)では総コレステロール値、LDL-コレステロール値が抗体値低値糖尿病群に比べ有意に高いことを明らかにした。 2. LPSの直接作用により培養肝細胞のHMG-CoA還元酵素遺伝子発現は影響を受けなかったが、LPS作用でマクロファージから産生される濃度域のIL-6,TNF-αで遺伝子発現が増強することを明らかにした。すなわち、炎症存在下でコレステロール合成が促進される可能性を示した。 3. IL-6の供給源を脂肪細胞にもとめ、マクロファージとの共培養系を確立し、細胞をLPS刺激した際の脂肪細胞からのIL-6およびMCP-1の産生性が著明に亢進することを明らかにした。 4. また、高血糖に晒されたマクロファージはLPS刺激によりMAP kinaseの1種であるJNKの活性化を介してTNF-αやMCP-1を過剰に産生することを明らかにした。 以上から、歯周感染により活性化を受けたマクロファージが脂肪組織に集積し、脂肪細胞との相互作用により多量のIL-6やMCP-1を産生し、MCP-1はマクロファージのさらなる脂肪組織への集積を促進すること、一方IL-6は門脈を介して肝臓に流入し、肝臓における炎症惹起のkey mediatorとなり得ることを明らかにした。
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