研究課題/領域番号 |
17390573
|
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
川原 由佳里 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70308287)
|
研究分担者 |
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
安達 祐子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 準教授 (70248970)
樋口 佳栄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (00460098)
本江 朝美 共立女子短期大学, 看護学科, 教授 (80300060)
田中 晶子 昭和大学, 保健医療学部・看護学科, 講師 (90424275)
|
キーワード | 看護学 / 補完・代替療法 / 看護技術 / 技術開発 |
研究概要 |
今年度は開発した看護ハンドマッサージの安全性・有効性を検討するため、健常者へのClinicaltrialsを実施した。対象者は健康な女性18名であり、研究の主旨を理解し、協力に同意したものとした。実験群、比較群各9名とし、両方に暗算によるストレス負荷を実施したのち、実験群にはオイルを用いた片側のハンドマッサージを、比較群は施術者が側に座るという介入を実施した。両方の効果を測定するために、マッサージを実施しない対側の手の脈波、皮膚温、血流、さらに心電図、呼吸数を持続的に測定、適宜、唾液アミラーゼ値を測定、また実験の前後でPOMS、タッチ尺度への記入を依頼した。データはPowerLabo、SPSSを用い、スミルノフ・グラブス検定により外れ値を除去、二元配置分散分析にて交互作用の有無を明らかにし、交互作用の有無に応じた事後分析を実施した。結果、対側の手における血流のパターンには交互作用が見られなかったが、被験者間効果の判定において有意差(p=.034)が見られ、クラスカルウォリスの検定により両群の介入前半(p=.045)と後半(p=.027)に有意差が確認された。また心拍数には交互作用(p=.041)が見られ、事後分析で2群×5水準=10群とみなして、多重比較(シェッフェ)を実施した結果、両群の介入後半(p<.008)、介入後5分(p=.040)、介入後10分(p=.018)に有意差が確認された。LF/HF、HF、皮膚温、呼吸数には有意差は見られなかった。また実施中の気分不良なども見られなかった。以上からハンドマッサージの安全性が明らかになるとともに、ハンドマッサージが側にいるという介入よりも、ストレスを受けて減少した対側の手の血流の回復を速め、心拍数を有意に低下させる等のリラクゼーション効果があることが明らかになった。
|