研究課題/領域番号 |
17401005
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
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研究分担者 |
岡崎 彰 一橋大学, 大学院社会科学研究科, 教授 (00409971)
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
太田 至 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60191938)
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キーワード | スーダン / 平和構築 / 戦後復興 / 開発援助 / 内戦 |
研究概要 |
研究代表者の栗本英世は、調査研究プロジェクトの統括を行うとともに、2006年5月には、南部スーダン、ルンベックで開催されたセミナーに参加し、欧米・スーダンの主要なスーダン研究者、および国際機関、国際NGOの専門家と情報交換と研究連絡を行った。2006年12月から20O7年1月にかけては、南部スーダン政府救援復興コミッションの協力のもと、南部の首都ジュバと東エクアトリア州において、平和構築・戦後復興の現状と課題に関する調査、およびパリ人の村落において、内戦期の変容と平和構築をテーマとするフィールドワークを実施した。また、南部スーダンにおけるJICAと日本のNGOの活動について情報と資料を収集し、在ハルツーム日本大使館との研究連絡を行った。 研究分担者の太田至は、ケニア共和国北西部のカクマ難民キャンプに居住するスーダン難民の帰還の状況、およびスーダン難民と地域住民であるトゥルカナ人のあいだの相互関係に関する資料を収集し、分析した。その結果、難民と地域住民は、言語や文化の違いを乗り越えて個人レベルでさまざまな友好的関係を構築していることが明らかになった。研究分担者の栗田禎子は、包括的平和協定成立後のスーダンの政治状況について情報収集・分析に努めると同時に、紛争後の社会における和解、信頼醸成プロセスの重要な要素としての「歴史」叙述の問題に着目し、周辺化された諸地域や、女性の視点から、スーダン史の叙述を再構成する可能性を探った。研究分担者の岡崎彰は、北部の周辺地域であり、包括的平和協定で特別な地位が付与された青ナイル州において、州政府の協力のもと、平和維持のメカニズムと、地域住民による権利回復運動に関する調査を実施した。また、2006年4月にドイツのマックス・プランク社会人類学研究所において開催された国際ワークショップにおいて、研究発表「ガムク人における権力、宗教、暴力と『新スーダン』の祝祭」を行った。
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