研究課題/領域番号 |
17401007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 健一 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80222644)
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研究分担者 |
出口 正之 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 教授 (90272799)
林 勲男 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 准教授 (80270495)
石井 正子 大阪大学, グローバル・コラボレーションセンター, 特任准教授 (40353453)
DE Jong Wil 京都大学, 地域研究統合情報センター, 教授 (00390716)
山本 博之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80334308)
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キーワード | 地域研究 / 国際貢献 / 国際協力 / ネットワーク |
研究概要 |
前年度に、研究の方向性を(1)NGO・NPO活動、(2)紛争・災害時の支援活動、(3)生物多様性の保全活動、としたが、最終年度の今年度は、この3つの研究軸をさらに深化させる研究活動を行った。個々の研究活動は別途報告書に詳述するため、ここでは全体としての研究活動に触れておく。 (1)と(2)に関わる研究活動は重なり合うことが多い。たとえば、国際的なNGO/NPO活動のなかで、紛争・災害時の人道援助は、地域研究の成果が援用されるべき重要な活動である。そこで、本研究活動を深化させるため、『難民映画の人類学・地域学』と題した実践を試みた。イラン、ダルフール、ソマリア等の難民を扱った映画を通して、日本社会と紛争に苦しむ地域とを、NGO/NPOで人道支援を行う実務家と地域研究者が、それぞれの立場で解説を行うことで、「つなぐ」ことを考えたのである。参加者の評価は高く、外部者として当該地域をもっともよく知る「地域研究者」には、論文を書くこと以外にも、地域と地域、地域と国際社会を「つなぐ」ことにおいて、大きな役割を果たすことができることが明らかになった。 (3)に関しては、国際シンポジウム『Forest Stewardship and Community Empowerment:Local Commons in a Global Context』を企画・運営した。前年度行った国際シンポジウムを引き継ぐものであり、熱帯林を対象に、「共有林」という地域社会による森林管理の例を、世界のさまざまな地域で、比較・検討した。生物多様性の保全のためには、国際社会による地域社会のエンパワーメントが不可欠であり、地域社会と国際社会を「つなぐ」者として、やはり地域研究者の役割はきわめて大きいと思われた。
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