研究課題/領域番号 |
17401008
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研究機関 | 種智院大学 |
研究代表者 |
頼富 本宏 種智院大学, 学長 (50065934)
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研究分担者 |
立川 武蔵 愛知学院大学, 文学部, 教授 (00022369)
宮治 昭 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70022374)
野口 圭也 種智院大学, 仏教学部, 教授 (30268106)
今井 浄圓 種智院大学, 仏教学部, 助教授 (00309064)
松本 峰哲 種智院大学, 仏教学部, 講師 (40351275)
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キーワード | 中インド / マンセル遺跡 / シルプル遺跡 / ボロブドゥール遺跡 / 金銅仏 / ウダヤギリ遺跡 / 石像 / 仏教美術 |
研究概要 |
基盤研究(B)「中インド新発掘仏教遺跡の総合的研究」の初年度の研究作業は、前年度末(平成17年3月、私費にて実施)に行った予備調査で収集した資料整理から着手した。 調査対象地である2つの仏教遺跡(マハーラーシュトラ州マンセル遺跡、チャッティスガル州シルプル遺跡)の発掘経緯と出土品のディジタル画像資料を、海外研究協力者のA・K・シャルマ博士から情報提供を受け、予備調査時点での発掘状況と出土品の資料をあわせて、6月に京都市内で、研究分担者による連絡会議の場で情報の共有と資料検討を行った。出土品の年代、内容、様式などの検討を主とし、それに基づいて今後の研究方針について協議した。 9月には、研究代表者と一部の研究分担者が、中インドの仏教美術が東インドを経て海路伝播し、多くの遺跡にその影響を留めるインドネシア・ジャワ島を調査した。ボロブドゥール、チャンディ・カラサン等の仏教遺跡におけるインド密教系の石像、金銅仏像の調査・撮影を行い、多数の比較資料を得た。それと並行して、インドおよび周辺国の仏教遺跡・遺品に関する基本図書の補充に務め、文献からの情報収集も行っている。 12月下旬には調査対象地のうち、マハーナーディ河流域のシルプル遺跡と、下流域にあたるオリッサ州のウダヤギリ遺跡等を踏査し、2つの地点に見られる仏教文化の伝播の模様を考察した。その結果、尊像の内容と表現形式において、相当の類似性を見出すことができた。 さらに年度末の平成18年3月には、ムンバイのソーマイヤ仏教研究所と共催学会に出席した研究分担者がマンセル遺跡を訪れ、発掘責任者で海外研究協力者の佐々井秀嶺氏からその後の発掘状況の説明を受け、シャルマ氏からはマンセル・シルプル両遺跡に関する研究論文の提供を受けた。 今年度は研究初年度であるために、当該遺跡と関連遺跡からの出土品に関する資料収集が中心となったが、質・量とも予想以上の成果を得ることができ、現在は整理作業を続けている。
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